温泉の効能は意識していても、「効果的な入り方」を取り入れている方は少ないのではないでしょうか? 今回は、多くの方が悩む冷え・むくみ・肌荒れの3つに絞って効果的な入浴法をご紹介。温泉の効能と掛け合わせて、期待値UPを狙いましょう!
冷え対策入浴法:朝はあつ湯でシャキッと、夜はぬる湯でゆったりと

ときには痛みすら感じるくらい辛い体の冷えには、自律神経のバランスの乱れが大きく影響しています。冷え性対策には、自律神経に着目した「朝はあつ湯」「夜はぬる湯」の入り分けがおすすめです。
朝は42℃以上の熱いお湯で交感神経優位の活動モードに、夜は38~41℃のややぬるめの湯で副交感神経優位のおやすみモードにと、自律神経をスイッチしてあげましょう。
また、自律神経の乱れはストレスも関係しています。入浴時に感じる体が浮くような「浮力効果」は、筋肉を休ませてストレスによる体のこわばりをほぐす効果があります。
浮力効果を得るには深くて広い浴槽が望ましいので、広い湯船の温泉はストレス解消にぴったり。たっぷり満たされたお湯で、心も体もゆったりと温まります。
また、体を温めるには「高温反復浴」も効果的とされています。42~43℃のお湯に5分程度肩まで浸かり、汗が出たらお湯から出て休憩。これを3回ほど繰り返すという入浴法です。ただし大量の汗をかくので、入浴の前後にきちんと水分補給をしましょう。
あつ湯でリフレッシュ! 源泉温度の高い温泉地
草津温泉(群馬県)

源泉の温度が高いため「湯もみ」や「時間湯」という独特の入浴法が生まれた草津温泉。現在では湯畑から長い木樋を伝わせ外気にさらし、温度を下げて浴用にしています。木樋を伝う湯の音、もうもうと立ち込める湯煙、硫黄の香り、湯畑と「天下の名湯」にふさわしい温泉地です。
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小浜温泉(長崎県)
お豊富な湯量、高い源泉温度、よそ30カ所もの源泉を誇ります。海に面した露天風呂を含めた3つの共同浴場や、源泉温度105℃にちなんで造られた105メートルの日本一長い足湯「ほっとふっと105」では、源泉の蒸気で卵や海産物を蒸し上げる蒸し釜も。主な泉質である塩化物泉は、高い塩分が汗の蒸発を防ぐため、保温効果があるといわれています。
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飯坂温泉(福島県)

豊かな湯量から、「奥州3名湯」にも数えられているという飯坂温泉。9つもある共同浴場は、平均して44~46℃と高めの湯温です。飯坂温泉は「くだものの里」でもあり、町内にある果樹園では初夏から12月にかけて、サクランボ・桃・梨・ぶどうなど、さまざまな果物が楽しめるのも魅力です。
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むくみ対策入浴法:長めの入浴で血流UP

また、入浴効果のひとつ「水圧効果」は、体にかかる水圧によって手先・足先の血液が押し戻され、血液やリンパの流れが促進されます。水圧効果はお湯の深さで変化するため、より高い水圧を得るには全身浴がおすすめですが、長く入っていると苦しくなる・のぼせやすいといった方は半身浴で、ときどき全身浴を取り混ぜながら温まりましょう。
温泉で長湯をするなら、外気に触れられる露天風呂がおすすめですよ。
長逗留したくなる、長湯におすすめしたい温泉地
淡路・洲本温泉(兵庫県)

海岸線に沿って、趣深い宿が並ぶ温泉街。ぬるめでも湯冷めしにくいラジウム泉をはじめ、保温効果が高いとされる塩化物泉、肌にやさしい単純温泉など、長めの入浴に適した源泉を複数有しています。地の利を生かした展望風呂や露天風呂から望む紀淡海峡は、飽きることなく眺めていられそう。しっかり温まったら、新鮮な魚介類など島の美食を味わいましょう!
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奥只見・折立温泉(新潟県)

湯之谷温泉郷のひとつ、折立温泉は、佐梨川沿いにある山あいの静かな温泉地です。越後駒ヶ岳を望む深い自然に恵まれ、一年を通じて四季の鮮やかな移ろいを感じるのどかな立地は、日常から離れて体を休めるのにぴったり。無色透明・無味無臭の単純温泉は刺激が少なく肌質を選ばないので、肌が弱い方にもおすすめです。
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肌荒れ対策入浴法:長過ぎる入浴は乾燥のもと!?

お風呂がしっとり肌をつくってくれるのは、湯船に浸かることで体温が上がり血流がよくなる「温熱効果」と、水圧により血流やリンパの流れがよくなる「水圧効果」のおかげ。この2つの効果によって血液の循環がよくなり、お肌のうるおいを守るバリア機能である皮脂の分泌が盛んになります。そのほか、内臓の動きが活発になったり、リフレッシュできたりと、入浴にはお肌づくりによいことがたくさんあります。
よいことずくめに見える入浴ですが、入り方によっては肌を乾燥させてしまうことも! 長過ぎる入浴時間や刺激の強い熱過ぎるお湯は、必要な皮脂やセラミド(うるおい成分)まで流してしまいます。
美肌のためには、湯船に浸かるのは長くても15分までとし、敏感肌の方は5分程度を目安にしましょう。ややぬるめの38~40℃ぐらいがおすすめです。
また、美肌効果が高いといわれる「メタケイ酸」の多い温泉を選ぶのもポイント。メタケイ酸は、まだまだ研究中の成分ですが、肌の新陳代謝を促したり、セラミドを整えたりする作用が期待できるといわれています。
お肌にやさしい源泉で、ツルツル美肌を目指そう
湯村温泉(兵庫県)

98℃という高温の源泉が大量に湧き出す、日本屈指の高熱温泉。泉質は古い角質を柔らかくして落とす炭酸水素塩泉(ナトリウム炭酸水素塩泉)。弱アルカリ性でお肌にやさしく、「美人の湯」のひとつに数えられています。荒湯とも呼ばれる源泉を利用した荒湯たまごや、とろりとなめらかな荒湯豆腐が観光客の舌を楽しませています。
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下部温泉(山梨県)

「信玄の隠し湯」として栄えた温泉地で、骨折や切り傷に効くと古くから知られてきました。約31℃の旧源泉と約51℃の新源泉を持ち、どちらも刺激の少ない単純温泉です。ぬるい旧源泉と温かい新源泉(または加熱した旧源泉)を交互に入ることで、高い療養効果が得られるとされています。連泊で訪れる湯治客も多い、渓流沿いの落ち着いた佇まいの温泉街です。
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塩原温泉(栃木県)

温泉郷にある温泉のほとんどがメタケイ酸を多く含むといわれている塩原温泉。箒川の渓谷沿いにあり、1200年以上の歴史を持つとされています。特徴はなんといっても約150種類にもおよぶ豊富な種類の源泉。「塩原十一湯」とも呼ばれ、お悩みに合わせて泉質を選べるのが魅力です。温泉郷のあちこちにある自然や文化に触れながら、身も心もリフレッシュできますよ。
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体質改善は、継続することが大切です。温泉でボディケア欲が盛り上がったら、ここでご紹介した入浴法を、ご自宅でもぜひ続けてみてください。合わせて食事や睡眠などの生活習慣も見直しつつ、お悩み解決にチャレンジしてみましょう。