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2人の子どもも大学生になり、夫婦水入らずの時間が増えてきた今日このごろ。のんびり家でくつろぐのもいいけれど、たまにはふたりで遠出して、非日常感を味わいたい…そんな思いにぴったりなのが南信州の阿智村にある「昼神温泉」です。ここは環境省が認定する「日本で一番星空がきれいに見える場所」としてブレイクし、テレビでもよく見かける人気のエリア。人口6300人ほどの村に、週末には関東や東海など全国各地から2000~3000人が訪れるというから驚きです。
そこで今回は、比較的すいている平日を狙った大人のくつろぎ旅をご紹介。美肌の湯として名高い温泉はもちろん日本一の星空を夫婦で楽しみ、久しぶりのデート気分を味わうような夫婦旅の魅力を‶奥様目線″でご紹介します。
平日休みで特別感たっぷり!
大人の休日にふさわしい旅

夫は大卒で入社した会社にずっと勤め続けて30余年。50代になり転勤も落ち着き、休みもとりやすくなりました。子どもたちも大学受験を終えたことで、夫婦ともにひと安心。普段の週末はジムに入ったりゴルフに行ったりすることが多い夫ですが、つい最近「たまには温泉でも行きたいね」とひとこと。「それなら昼神温泉はどう?」と私が提案したのが今回の旅のきっかけでした。
私が昼神温泉を知ったのは、テレビ番組で紹介されていたのを見たのが最初でした。数々の山に囲まれた南信州の阿智村は環境省によって「日本で一番星空がきれいに見える場所」に認定。以来、星空の美しさは口コミでも広がり、大人気のスポットになったとか。近年ではサンリオキャラクターやスマホゲームとのコラボもあり、週末はなかなかの混雑ぶりだそう。そこで「平日に行けばゆっくりできそうじゃない?」と夫に提案し、さっそく休みを取ってもらいました。また新宿や名古屋から直通バス1本で行けたり、中央高速自動車道の園原IC、または飯田山本ICから10分ほどだったり。思いのほかアクセスがよいのも「行ってみようかな」と背中を押された理由のひとつでした。
川のせせらぎとともに感じられる、
土地の人々のぬくもり

実際に昼神温泉を訪れてみると、街のどこにいても阿智川の存在を感じることができます。絶え間なく聞こえてくる川のせせらぎは、その水音が耳に届くだけで心地よいものでした。また川面からふと目線を上げれば幾重にも重なる稜線をのぞみ、自然そのものが描き出す均整の取れた美しさにうっとり。この川沿いは春には一面に花桃が咲き誇り、夏には子どもたちが魚のつかみ取りをする姿も見られるそうです。また秋が深まればイチョウ並木や紅葉が色づき、冬の雪景色も幻想的だそう。夫とも「また違う季節も見てみたいね」と話すほど、お気に入りの景色になりました。
また昼神温泉で感じたのは、宿の人はもちろん街の人もみんなあたたかな雰囲気だということ。そのことを宿の若女将に伝えると「昼神温泉では宿の担当者が定期的に集まり『ここを訪れる方全員に心から楽しんでもらえるように』とアイデアを出し合っているんですよ」とのことでした。前述のような各種コラボ企画はもちろん、お得な地域限定通貨「スターコイン」も、アイデアの一例だそうです。宿独自のおもてなしとは別に古くから親交のある土地の人々が意見を出し合い、みんなで街を盛り上げる…そういうのって、とても素敵ですよね。私たち夫婦は今回初めて昼神温泉を訪れたのですが、どこか懐かしさにも似た印象を受けました。それは、のどかな里山の原風景とともに、土地の人々のあたたかな心を感じたからかもしれません。
飾らないおもてなしに心癒やされる「吉弥」

阿智川の支流を少し上にのぼったところ、通りの右手に佇む「懐石と炉ばたの宿 吉弥」は、創業30年の温泉宿。和情緒あふれるエントランスを入ると、笑顔のスタッフと鈴虫の鳴き声にお出迎えされました。私が数ある昼神温泉の宿の中でもこの宿を選んだのは、ゆこゆこで「50歳以上の特典」が豊富だったから。選ぶプランによって「6大特典」がついてきたり料理のお刺身が「6種の舟盛」になるグレードアップがあったり。「私たち、夫婦ともに50代だし、お得で嬉しいわね」と迷わず予約してしまいました。
館内は歴史のある建物でありながら丁寧に清掃・手入れされており、気持ちの良い空間が広がっていました。そうそう、到着してすぐに夫が売店裏のお手洗いに行ったのですが、目を丸くして帰ってきたんですよ。なんでも男性用便器が鮮やかな有田焼で「すごかった!」とのこと。私も早速お手洗いに出向いてみましたが、女性用はシンクのボウルや鏡廻り、照明などが有田焼で彩られていました。気になる方は、ぜひ見逃さずにぜひお立ち寄りください。ほかにもロビーの窓際やカフェの棚にさり気なく陶器が飾られており、器好きな私には、眺めているだけでも楽しいものでした。

でも実際にこの宿で、何より心地よく感じたのはスタッフの応対でした。飾らない笑顔で優しく語りかけてくれたり、観光の相談に乗ってくれたり。他にも廊下をすれ違う時に、そっと立ち止まり挨拶をしてくれるスタッフがいるなど、丁寧な応対にほっと心が和む旅の始まりでした。
やっぱりまずは温泉へ。貸切風呂も人気

館内は3つの館にわかれており、阿智川の眺望がよく見える本館と広くゆとりある造りの東館、一段小高いところにある古兆館、とそれぞれに趣が異なります。毎年11月からは各客室に「こたつ」も出されるのが嬉しいポイントですね。私たちの住むマンションには和室がないので、懐かしい温もりに包まれほっこりしました。そしてひと休みしてから、さっそく温泉へ。

吉弥には本館と古兆館のそれぞれに大浴場・露天風呂があります。泉質はアルカリ性の単純温泉で、ナトリウムイオン、塩素イオン、メタケイ酸などが豊富に含まれる美肌の湯です。pH8.5以上がアルカリ性の中、9.7という驚異的な数値のお湯は、無臭でありながら少しぬめりのあるなめらかな手触り。肌表面の資質に作用し保湿性を与えてくれるので、いわば「塩パック」です。露天風呂には美しい庭もあり、花桃やアジサイ、カエデなど四季折々の風情を感じられるようになっています。お湯はちょっとぬるめだったので、のんびりとくつろぐことができました。
品数豊富な夕食は、見た目鮮やか&郷土の魅力満載

お風呂にも行き、程よくお腹がすいてくると、お待ちかねの夕食の時間です。この日はゆこゆこで選んだお得な[50歳以上]6大特典/信州牛付懐石プランだったのですが、ジューシーなブランド牛「信州牛」も味わえて大満足。ほかにも見た目に美しく品数も豊富な料理は、ボリューム満点でした。焼き魚に添えられた「りんごの紫蘇巻き」など、信州ならではの一品も初めて食べましたがおいしかったです!またひと皿ずつ丁寧に説明をしてくれるスタッフの方の応対も◎。夫はおすすめしてもらった地酒をいただいたのですが「信州ってやっぱり水がいいから、お酒もおいしくなるんだね」とご満悦でした。

またスタッフの方によると、ほかにも地元で採れた国産松茸のみを使う「松茸コース」も人気だとか。夕食で食べて気に入った人が、翌朝の「朝市」で地の松茸をたくさんお土産に買って帰るということも多いそうです。

また連泊すると炭火でじっくり焼き上げる「炉ばた焼き」も楽しめるとか。中でも郷土料理・五平餅の、甘辛い吉弥特製ダレが人気だそうです。「今度はぜひ連泊して、炉ばた焼きも試してみたいね」夫婦水入らずで会話も弾み、まだ旅行中なのに次の旅行を楽しみにするような、幸せなひとときが過ごせました。
いよいよ星空を求めて!
「浪合パーク」で星降る夜に感動

さて夕食後は、今回の旅のメインイベントである星空観察へ出発です。私たちは若者に人気の「ヘブンスそのはら」はあえて避けて、「浪合(なみあい)パーク」に行くことにしました。というのも華やかな演出等ではなく、できるだけのんびり星を見てみたかったからです。宿から車で20分ほど走った高台にある「浪合パーク」へは私の運転で。初めて行く場所でしたが、道もわかりやすく無事到着できました。
「浪合パーク」は街の灯りが届かない暗がりにあり、足元をほのかに照らす道案内を頼りに進みます。しばらくして目が慣れてくると、星空観察エリアに到着。あらかじめ用意しておいた厚手の敷物を敷いて、ふたりで草の上にごろりと寝転びました。ちょっと伸びをして空を見上げると、そこには視界一面に無数の星が!生まれも育ちも東京の私としては「これが天の川なんだ…初めて見た!」と感動しきり。夫も「星って1つずつ大きさが違うんだね」「あれは何座かな」「今、流れ星、見た?」と子どものようにはしゃいでしまいました。いつまでも見ていても見飽きることがない無数の星屑。夫婦そろって夜空を見上げてのおしゃべりは、なんだかロマンチックな時間でした。また「浪合パーク」内には三脚等が置きやすくなっている有料の個別のエリアもあるので、カメラが趣味の方などはそちらに行くのもおすすめです。
夜の露天風呂でも星空を満喫。
流れ星、いくつ見つかる?

星空観察で少し身体が冷えたので、もう一度温泉へ。昼間とは雰囲気が一変し、俄然くつろぎ感がアップしています。湯船に浸かってみると、肌表面がうっすらとコーティングされるような、美肌の湯ならではの触感を楽しめました。「昼間入った時よりもぬめりがあるかも?」と思い若女将にその理由を聞いてみると「温泉は天然のものなので、季節や天候、時間帯などによって微妙に泉質が異なることがありますよ」とのこと。生きた温泉を肌で感じられるのも、旅の醍醐味ですね。露天風呂につかりながら流れ星の数を数えていたら、ちょっとのぼせそうになりました。
地元の人との触れ合いも楽しい昼神温泉名物・朝市へ

翌朝は朝市へ。ピンと透き通るような朝の空気って、とても気持ちが良いものですね。宿から歩いてすぐの朝市会場には、野菜や果物はもちろんのこと民芸品や水引細工、パン、お菓子などバラエティ豊富な品が並んでいます。中でも産直野菜の鮮度は抜群で、しかもとってもお安い。「今日は帰る日だし」と自宅用にたくさん購入してしまいました。佃煮も一つずつ試食できるお店があったので、ふたりで相談してお気に入りを購入しました。地元産の「南アルプスそだち いちだヨーグルト」もその場でいただきましたが、夫がとても気に入り「濃厚でおいしいね!」とにっこり。方言を交えた地元の方々とのおしゃべりも楽しいひとときでした。
ほかほかの湯気があがる朝食も充実

澄んだ空気の中、朝市を散策してきた後だからか、より一層おいしく感じられたのが朝食。炊き立てのご飯は粒がひとつぶひとつぶ立っていて、甘みを感じるものでした。これも信州のきれいな水のなせる業なんですかね。蒸し野菜やお味噌汁などが、アツアツでいただけるのも嬉しかったです。夫からは「もう一度、朝風呂いく?」と聞かれたので私も「もちろん!」と答えました。最後まで温泉三昧で過ごせるのも、この宿のいいところです。
楽しい時間を過ごせました。あたたかなおもてなしに感謝

宿の人たちもみんな親切で、帰る瞬間からまた来たくなる気がした今回の旅行。もう少し秋が深まれば、若女将とリピーターさんで一緒に雲海ツアーに出かけることもあると聞きました。まだ暗い早朝に出発して星空を見上げ、ゴンドラとリフトを乗り継ぎ山頂へ。そこで神々しい日の出と雲海、そして紅葉を見渡すという1度で4つの楽しみがかなうツアーだというから気になります。「また違う季節にも来てみたい」と何度も思ってしまう、魅力たっぷりの昼神温泉。夫とも久しぶりにのんびり会話ができ、とてもよい時間が過ごせました。
最後にゆこゆこ編集部より「昼神温泉 特別MOVIE」をお届けします。是非この機会に昼神温泉にお出かけしてみてはいかがでしょうか?#最近温泉行った?