熱湯に入って自分に自信がつきました

©2018 ETSU MORIYAMA
まず知っておかなければならないのは、渋温泉のお湯は全体的に温度が高めだということ。100%源泉掛け流しで、源泉の温度は80〜90℃くらいあります。そのままでは熱くてとても入れないので、都度水を足して適温にする「うめ湯」をするのですが、タイミングによってはかなりうめ湯を頑張らないと入れないかも(でもうめすぎには注意)。
どんなタイミングで入るのがベストかといえば、それは誰かが適温にして入ってくれた後(笑)。つまり、一番風呂の可能性が高い午前中は、どこも激アツの可能性大です。これはもう運次第。午後でも熱い時はありますからね。

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ただ、熱い熱いと言いながらも、見ず知らずの旅行客や地元の方などと協力してうめ湯をし、足元からかけ湯をしてゆっくりゆっくり体を慣らし、最初は絶対に無理だと思っていた熱湯に入れた時の喜びったら。なんだか渋温泉に認められたような気にもなるし、「自分、今ならなんでもできるかもしんない……」みたいな謎の自信も湧いてきます。
何事も、まずはチャレンジあるのみ。
外湯めぐりに合わせるべき渋スイーツはこれ

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各温泉の効能を説明する前に、スイーツの紹介をすることにします。実は渋温泉には、九湯めぐりにあやかって、「九糖めぐり」なるものがあるのです。おみやげ屋さんやお菓子屋さんで売られている「いとをかし箱」という専用の箱を買い、その9つに仕切られた箱の中に、好きなスイーツ(糖)を詰めてオリジナルのおみやげを完成させるというものですが、今回はちょっと変化球。そこに詰めるべきものも、九湯めぐりの合間に食べてしまう〜。
おすすめ1、若葉屋の無限ジェラート

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まずは、おみやげ屋さんを営んでいる若葉屋の奥で売られているジェラートが、無限に食べられるほど美味しいのでご紹介します。これは、店主の息子の関 亮太さんが、各地の色々なアイスを食べ歩いたのち、地元・渋温泉周辺の美味しい食材を使って開発したもの。美味しさの理由を伺うと、母・朋代さんと声を合わせて「生産者さんが美味しいものを作ってくれているおかげ。山ノ内町の農家さんが作る果物や、奥志賀高原牧場の濃厚な朝採れ牛乳などを、シンプルに使って作っているだけです」とのこと。

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とはいえこんなに美味しくなるには、お二人が何らかの魔法をかけているとしか思えません。秋は巨峰やシャインマスカット、黄桃が出ることも。冬にはりんご、春はいちご、夏は白桃なども登場するとか。全部捨てがたいのですが、あえて一つをおすすめするならば、まるで生キャラメルのような濃厚な風味のする「ミルク」でしょうか。おかわりせずにはいられないほど美味しいです。
「若葉屋」
住所 | 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2184 |
TEL | 0269-33-3305 |
営業時間 | 8:00〜21:30 |
定休日 | なし |
URL | |
おすすめ2、渋温泉 四大温泉まんじゅう
続いては渋温泉の4大温泉まんじゅうをご紹介します。温泉地に来て、温泉まんじゅうを食べないわけにはいきませんよね?
<羽田甘精堂>

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羽田甘精堂の温泉まんじゅうは、たまご蒸しパンのように食べるとほっこりする感じ。ふわっとした生地に甘さ控えめなこしあんがたっぷりです。
生地に使う粉をブレンドしたり、お砂糖もこだわったものを選んでいて、生地に加える水の量も、季節や気温などの微妙な変化に合わせて丁寧に調整しているんだそうですよ。美味しい。

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お店では、看板猫のギーが迎えてくれるかも?

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「羽田甘精堂」
住所 | 長野県下高井郡山ノ内町平穏2316 |
TEL | 0269-33-2324 |
営業時間 | 8:00〜19:30 |
定休日 | 不定休 |
URL | 「羽田甘精堂」 |
<西山製菓>

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西山製菓の温泉まんじゅうは、58年間ずっと変わらぬ直伝の味。フカっとした生地に、ほどよい甘さのこしあん入りです。温泉まんじゅうって、基本的にこしあんなのだと気がつきました。美味しい。

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「西山製菓」
住所 | 長野県下高井郡山ノ内町平穏2186 |
TEL | 0269-33-3824 |
営業時間 | 8:00〜12:00、15:30〜18:00、19:30〜21:00 |
定休日 | 不定休 |
<松本製菓>

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松本製菓の温泉まんじゅうも、昔から変わらないスタイル。もともと和菓子職人だったご主人は、あんこ練りには相当のこだわりがあるとのこと。生地に対してあんこの割合は多いんだけど、甘さは控えめの一品です。美味しい。

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「松本製菓」
住所 | 長野県下高井郡山ノ内町平穏2185-2 |
TEL | 0269-33-2342 |
営業時間 | 8:00〜21:00 |
定休日 | 不定休 |
<小古井菓子店>

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小古井菓子店の温泉まんじゅうは、しっとり薄めの生地に、すっきりとした甘さのこしあん。こちらも、昔から変わらぬスタイルです。美味しい。

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ちなみに小古井菓子店は「うずまきパン」もおすすめ。発売から50年以上味もパッケージも変わらないという渋っ子のソウルフード、購入すると温めてくれますので是非お願いしてください。中のバターが溶けて染み込み、危険な美味しさの食べ物になります。

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「小古井菓子店」
住所 | 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2114 |
TEL | 0269-33-3288 |
営業時間 | 8:00〜20:00 |
定休日 | 第三水曜日 |
「温泉まんじゅうは繊細だ」。
初めてこんなにたくさんの温泉まんじゅうを食べ歩いて気がついたことがこれです。シンプルな材料と作り方でできているからこその儚さ。あと、蒸したてや少し置いてからなど、食べるタイミングによって、もちもちやふわふわの感覚も違ったりして。だから、本当は食べた感覚をあまりつべこべいうのもナンセンスかもしれません。好みも人それぞれ。とにかく、実食あるのみ、です。
これを知らないと渋温泉は入れません

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さて、今回紹介した外湯めぐりを楽しむためには、渋温泉の宿に宿泊する必要があります。宿泊者限定で、全ての外湯が開けられる鍵を借りることができ、説明を聞けばあとは好きなタイミングと順番で入ることができるというシステムになっています(手ぬぐいは、各旅館かおみやげ屋さんで購入)。
それから、日本人なら当然知っているだろうと思いきや、意外と知らない人も多かったりする温泉マナー。渋温泉の外湯を楽しむ時も、以下の4つを忘れてはいけません。
一、かけ湯をする
……湯船に入る前に、桶にお湯をすくって体にかけます。汚れを洗い流すのと、お湯に体を慣らす意味合いも。渋温泉、かけ湯をして体をお湯に慣らさないと、熱くてとても入れません(汗)。
二、適温になったらうめ湯(水)は止める
……温泉成分を保つため、それから、次に入る人がぬる湯にならないように。
三、脱衣所へ上がる時は体のつゆをとってから
……脱衣所がビショビショになってすべって転ぶ人続出です。
四、水分補給を忘れない
……脱水は、コワイですよ!
もし他にも何かわからないことがあったら、怖がらないで街の人やお風呂で居合わせた人に聞いてみればいいと思います。きっとみんな親切に教えてくれるはずです。
九湯の効能と雰囲気はこんな感じ
最後に、渋温泉の外湯九湯を効能と合わせて紹介します。全部回ったのち、一番最後に渋高薬師というところでスタンプを押して祈願すれば、満願成就。九(苦)労を流し、厄除け、安産育児、不老長寿のご利益があると言われていますよ。