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柳川雛祭りの「さげもん」とは?
この時期、各地で開催される雛祭り。それぞれ地域色があり、また、桃の節句だけにいずれもたいへん華やか。なかでも、「日本三大吊るし飾り」として知られているのが、静岡県稲取の「雛のつるし飾り」、山形県酒田の「傘福」、そしてこの福岡県柳川の「さげもん」。その華やかさを堪能できる「柳川雛祭りさげもんめぐり」は、期間が長く、見どころも多いのでおすすめです。
江戸末期頃より、女の子が生まれると初節句のお祝いに、お雛様の代わりに古着の端切れで小物を作り飾ってお祝いしたのが「さげもん」の始まり。飾られるのはもちろん縁起の良い物で、それぞれに願いが込められています。
例えば、
●鶴…朝早起きで、つがいで仲良く卵を温めて育てる。
●蝶…さなぎから蝶へ。きれいに着飾らせて嫁に出したい親心。
●えび…年老いて腰が曲がっても元気。
●這い人形…子どもの豊かな成長を願う。
など。紅白の布を巻いた竹の輪の下に、それらを7個ずつ7列と、中央に「柳川まり」を2個下げて、全51個でさげもんに。人生50年と言われていた時代に、1年でも長生きをしてほしいという、数にもそんな親の願いが込められているのです。

さげもんの代表的な飾り物は、他に、ひよこ(かわいらしさ)、ねずみ(金運、子だくさん)など
さげもんや雛祭りイベントは、どこで見られる?
代々、各家庭で受け継がれている「さげもん」。そのさげもんを広く知ってもらい、伝承し続けるために始まったのが「さげもんめぐり」。それだけに、柳川商店街や北原白秋の生家がある沖端を中心とした約30カ所の「さげもん処(展示会場)」と、4月3日(火)までの期間中に開催される各イベントは、すべて観光客が楽しめるようになっています(白秋生家など、さげもん処は一部有料)。
数あるイベントの中でも特に見逃せないのが、3月18日(日)に行われる「おひな様水上パレード」。お内裏様、お雛様の衣装を着た男女や、稚児の衣装を着た保育園児を乗せ、沖端から三柱神社までを川上りし、毎年多くの見物客で賑わいます。旧柳川藩の城下町として栄え、市内には総延長約930Kmにもおよぶ大小の掘割が縱橫にめぐらされた世界有数の水郷の街らしく、華やかで風情ある催しです。

水上に飾られたさげもんの中を通っていく優雅な「おひな様水上パレード」

3月18日(日)11時〜12時20分。雨天の場合は3月25日(日)に延期
見るだけではなく、自分も体験するには?
水郷の街・柳川には、四社が運行する「お堀めぐり」(川下り)があります。加えてこの時期には期間限定で「雛めぐり舟」も運行。舟やコース沿いに雛飾りが装飾され、雛祭りの情緒を舟から楽しむことができます。昨年までは柳川商店街の辻門〜沖端までの1コースでしたが、今年は途中にある十時邸(とときてい)での「古民家のひな祭り(3月1日(木)〜)」を見学できるように、辻門、十時邸、沖端の3カ所で乗船下船が可能になりました。「お堀めぐり」や「雛めぐり舟」は乗るだけでも楽しいですが、水郷の街ならではの交通手段として、ぜひ上手に活用したいですね。
また、雛祭り見物なら、着物を着て楽しむのはいかが?3月11日(日)の「柳川きもの日和」では、柳川の特産品の抽選会やネイルアートのサービスなど、着物で行くとうれしい特典があります。そして、さげもんを実際に作ってみたいという人には、「柳川まり」のワークショップもありますよ。
●雛めぐり舟運行日 3月3日(土)・4日(日)・10日(土)・11日(日)・17日(土)・18日(日)・24日(土)・25日(日)・31日(土)・4月1日(日)
料金(一区間) 大人800円、子ども200円。全区間 大人1,500円、子ども500円
●柳川きもの日和開催日 3月11日(日)10時〜15時
開催場所 柳川市観光案内所(西鉄柳川駅前)
●柳川まりワークショップ詳細は要問合せ
さげもんめぐりで柳川の味も楽しんで!
雛祭りの華やかさとともに楽しみたいのが、地元の味。柳川と言えば真っ先に思い浮かぶのが「うなぎのせいろ蒸し」。二十数軒の店があり、それぞれが秘伝の焼き方、蒸し方、味付けなどにこだわりを持ち、腕を競い合っています。また柳川市は有明海に面しているので、旬の魚介類も自慢。そして、この「さげもんめぐり」期間には特別メニュー「雛御膳」が登場するお店もあります。さげもん、城下町の雰囲気とともに、柳川の自慢の食もぜひ味わってみてくださいね。

うなぎのせいろ蒸し。鰻とタレとごはんが絶妙なハーモニーを奏でる逸品
柳川雛祭りさげもんめぐり期間 2月11日(祝・日)〜 4月3日(火)
問い合わせ先 柳川雛祭り実行委員会(柳川市観光案内所内)
電話 0944-74-0891
アクセス 福岡空港駅、博多駅より、福岡市地下鉄空港線で天神駅へ。
天神駅より徒歩すぐの西鉄福岡天神駅より西鉄柳川駅まで約50分。
西鉄柳川駅よりさげもん処(展示会場)が集まる柳川商店街へは、徒歩10分ほど。
沖端は駅から離れているので、路線バスか川下りを楽しんだあとに寄るのがおススメ。
柳川市内には十数軒の宿泊施設
ナトリウムー炭酸水素塩・塩化物泉が主成分で、神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、疲労回復などに効果があるといわれる「柳川温泉」。市内には、ホテル、旅館のほか日帰り温泉施設なども充実。さげもん見物と温泉をセットで楽しむことができます。
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(2018年3月5日公開)