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【連載】天晴れ!開運旅行「第5回 伊勢参りならぬ磯部参り?の巻」

【連載】天晴れ!開運旅行「第5回 伊勢参りならぬ磯部参り?の巻」

志摩の磯部町にある磯部神社

さて、この「開運旅行」も今回が最終回。最後にふさわしくお伊勢参りといこう。ただし、普通のお伊勢参りの話はどこでもあるので、一味変わった旅をご紹介。

その名も「伊勢参り」ならぬ、「磯部参り」。「いせ」とは、もともと「いそ=小石の多い海岸」のこと。この「いそ」に住む人々(部)が、いそ部、磯部、すなわち我が一族である。

今でも志摩に磯部町が残っているし、伊勢の外宮を代々務める「度会(わたらい)」氏。奈良時代、天皇に賜った「度会」姓を名乗る前の苗字は、「磯部」なのだ。ちなみに、内宮の宮司は代々「荒木田」姓で、ちと違う。そんな「磯部」ゆかりの地を巡り、運を開いていこう。

謎の神を祀る外宮。

伊勢の外宮はJR伊勢駅すぐ

ご存知のように、伊勢神宮の正式名は「神宮」。一般名詞と同じなので、わかりやすいように通常は頭に伊勢をつけて呼ばれている。

そして、この「神宮」は、別宮、摂社(せっしゃ)、末社などを125社の総称だ。一般的にお参りするのは、122社の中でも「皇大神宮=内宮(ないくう)」と「豊受大神宮=外宮(げくう)」ぐらいかな。

内宮に祀られているのは、天照大御神(アマテラスオオミカミ)。言わずと知れた皇祖神。では、さて外宮に祀られている神は?

意外と知られてないが、豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)だ。

外宮の鳥居もシンプルな形

伊勢神宮外宮の社伝では、雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ、「自分ひとりでは食事が安らかにできないので、丹波にいる食事の神である、トヨウケノオオカミを呼び寄せなさい」と言われたので、外宮に祀るようになったという。

つまり、元々は、丹波の神様だ。それも納得がいく。外宮の度会氏は、磯部氏であり、磯部氏の元は丹波の三輪氏だったからだ。三輪氏といえば、その先祖は大田田根子(オオタタネコ)で、面白いことに出雲系の神ともいわれている。

鎌倉時代に唱えられた度会家行の「伊勢神道」によれば、豊受大神は、天之御中主や国常立命などと同一視され、天照大神を凌ぐ神々の最高位としている。さすれば、外宮にお参りし、五穀豊穣と食の有り難さに感謝してみよう。

古神道の行法に、「自神(霊)拝」というものがある。これは、自分の中の神聖に対して自分で拝むというものだ。鏡に映る自分に対して神の一柱として祈りを捧げるのだ。多くの社殿の中になぜ、参拝者に向かって鏡が置いてあるのか。ひとつの解答だと思う。

余談だが、この伊勢神宮、昔はさほど重要な神社ではなかったのではと言われている。なぜなら、創設されてから一度も天皇が訪れたことがなく、明治になってから初めて行幸が行われた。戦国時代、120年くらいは式年遷宮が行われなかった。斎宮も、賀茂神社の斎宮よりも位が下のものが選ばれてきた。などなど、謎の多い神社だ。

明治の頃、国家神道を創設する際に、色々と書き換えたのかも知れない。この時に有名な「祭神論争」があり、政治家や官僚などを巻き込み、伊勢派と出雲派が争ったが、結局、出雲派は敗れ、伊勢が神社界のトップに。これは、薩長の争いだったとも言われている。

食の神を祀る外宮で、食に対する感謝を

名称豊受大神宮(外宮)
所在地三重県伊勢市豊川町279
アクセス JR・近鉄伊勢市駅より徒歩約5分
URLhttp://www.isejingu.or.jp/about/geku/

外宮参道に極上のハンバーグあり

ほどけるようなハンバーグに濃いめのソースがからまって…

牛肉屋で名前が豚捨とは面白い

伊勢駅と外宮との参道に位置する『豚捨(ぶたすて)外宮前店』。明治42年創業の和牛の専門店。創業以来、地元が誇る伊勢肉を扱っている。こちらでは、ぜひハンバーグを。牛肉100%でありながら、ジューシー。ふっくらしていて、濃いめのソースとの相性がバッチリ。今まで食べたハンバーグで一番好きかもしれない。

名称豚捨 外宮前店
所在地三重県伊勢市岩渕1丁目1-33
電話0596-25-1129
営業時間11:00~21:00 (L.O.20:00)
休み木曜
アクセスJR・近鉄伊勢市駅より徒歩約5分
URLhttp://www.butasute.co.jp/restran/geku/index.html

磯部の神社をめぐる

志摩一宮『伊雑宮』は、20年に一度式年遷宮が行われる由緒ある神社

志摩の磯部町に、志摩一宮『伊雑宮(いざわのみや)』があり、「磯部の宮」「磯部の大神宮さん」と呼ばれている。皇大神宮(内宮)の別宮で、月読宮、瀧原宮に次ぐ順位。

伊勢の奥の院といわれたり、元伊勢とされたり、諸説多い神社だ。創建は不明だが、古くからの土地神が鎮座していた。

伊雑宮の本殿は飾り気のない白木造り。清々しい。

名称伊雑宮
所在地三重県志摩市磯部町上之郷374
アクセス近鉄上之郷駅より徒歩約3分
URLhttp://www.isejingu.or.jp/about/naiku/izawa.html

この伊雑宮から少し離れたところにあるのが、『磯部神社』。こちらは、磯部地域の神々を合わせて祀っている。伊勢の地、古くは磯部の地の始まり。

こちらに来たら、太陽と海の豊穣のイメージを描いてみよう。光り輝く太陽のエネルギーは全身を満たし、すべてを生みだす海の大きさ安心感を感じ、気持ちが豊かになっていくのを観察してみる。

心に植えられた種は、やがて芽を出し、豊かに育っていくことだろう。その豊かさがきっとあなたの運を開いていくはずだ。

明治時代、地域の神社を合祀した

磯部の古くからの土地神が多く祀られている

名称磯部神社
所在地志摩市磯部町恵利原1270-5・1270-6
アクセス近鉄磯部駅より徒歩約10分
URLhttp://kyoka.mie-jinjacho.or.jp/shrine/磯辺神社/

ここは日本?英虞湾の絶景。そして…

英虞湾に沈む夕日が美しい

『志摩地中海村』に一歩足を踏み入れたら、その景色に驚くことだろう。精密に地中海やスペインを作り込んだ街角、その向こうに広がる英虞湾の青い海。日本広しといえどなかなかお目にかかれない風景だ。

アンダルシアやサルジニアなどを模した町並み

泊まりだけでなく、気軽に買い物や食事でも

入江に付き出した『地中海レストラン・リアス』で、新鮮な魚介を使った地中海料理はいかがだろう。伊勢志摩の海の豊かさを感じることができる。

期待が膨らむファサード

牡蠣など旬の海の幸を独自の調理法で

地元の素材を熟練の技術で仕上げる

名称志摩地中海村
所在地三重県志摩市浜島町迫子2619番地1
電話0599-52-1226
アクセス近鉄鵜方駅より車で約15分
URLhttp://www.puebloamigo.jp/

締めは松阪で松阪牛のホルモンを

ホルモンは焼きすぎず食感も楽しむ

伊勢の隣は松阪。松阪といえば言わずとしれた松阪牛。なかでもここ『一升瓶』は、松阪牛のホルモンをいただける老舗。昭和な焼肉屋風な素朴な雰囲気で買い物帰りのような近所のおばちゃんたちが気楽に寄っている。ただし、値段はそこそこ高め。

新鮮でないとホルモンは美味しくない。地元ならではの味だろう。

見た目はなかなか迫力ある

こちらは本店。松阪市内に数店舗ある

名称一升びん 本店
所在地三重県松阪市南町232-3
電話0598-26-4457
営業時間11:00~22:00(L.O.21:30)
休みなし
アクセスJR・近鉄松阪駅より徒歩約15分
URLhttps://www.isshobin.com/shopguide/2011/12/post-22.php

(2018年7月7日公開)

伊勢志摩周辺の宿情報は下記より

●伊勢・二見の宿情報はこちら

●鳥羽の宿情報はこちら

●南鳥羽の宿情報はこちら

●志摩の宿情報はこちら

磯部 極楽堂
1963年、神戸市生まれ。早稲田大学、北京中医薬大学 気功整体科卒。10代後半から20代はバックパッカーとして世界を回る。その後、旅行雑誌「じゃらん」創刊時から編集者、ライターとして参加。以降、数々の旅行雑誌の創刊、編集に加わる。並行して、古神道、修験道の修行や、古今東西の様々なセラピーを研究し「麻布サラ・クリニコス」(http://kokokara-happy.com/)を設立、代表となる。国内を始め、パリ、シチリア、NYで、気功や美容整体などの施術と教育を行なう。風水八卦気功 家元。開運旅行作家としても活躍中。小顔美肌術は、フランスの多くの雑誌でも絶賛されている。著書「さわるだけ!なでるだけ!小顔美肌術」(講談社)