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【歴史を巡る】150周年・明治維新の舞台を巡る(佐賀編)

【歴史を巡る】150周年・明治維新の舞台を巡る(佐賀編)

“佐賀の七賢人”とは?

明治維新150年を記念して県内各地で「肥前さが幕末維新博覧会」が開催中(2018年3月17日 - 2019年1月14日)の佐賀県。「薩長土肥」の“肥”を担う佐賀(旧国名:肥前)は、幕末から明治にかけて多くの優秀な人材を輩出しました。その中でも特に「佐賀の七賢人」と呼ばれる人たちは、時代を先駆けた素晴らしい功績を残し、佐賀における幕末維新の立役者となりました。今回はその七賢人ゆかりの地を紹介します。

※七賢人のイラストは佐賀市観光連盟のフリー素材を使用/プロフィールは同HPを参考に作成

七賢人その1「鍋島直正(なべしまなおまさ)」

鍋島直正

佐賀藩十代藩主。稀代の名君と呼ばれ、西洋文明も積極的に取り入れました。特に、藩校「弘道館」での教育、医学校や病院「好生館」の設立、そして反射炉の設立・大砲の鋳造などで全国に名を馳せました。 直正をのぞく「佐賀の七賢人」は全員弘道館の出身者です。

●鍋島直正ゆかりの地「徴古館」

徴古館

弘道館跡に建つ鍋島家の資料館。江戸時代の御道具類や古文書など、明治、大正、昭和に至る鍋島家に関する資料や郷土関係の書画類などの資料が保管・公開されています。建物は平成9年に国の登録有形文化財に指定されました。

《特別展「幕末明治の鍋島家 ―大名から侯爵へ」》

「肥前さが幕末維新博覧会」開催に合わせ開催中。長崎港の警備などに力を注いだ10代佐賀藩主鍋島直正公の時代、そして11代直大公や栄子夫人が活躍した侯爵鍋島家の時代を中心に、直筆の手紙や愛用品などから、その人となりと鍋島家の歴史に迫ります。~平成31年1月14日(月・祝)

名称徴古館
所在地佐賀市松原2-5-22
電話0952-23-4200
営業時間9時30分~18時(博覧会期間中)
料金大人400円(高校生以下は無料※博覧会期間中)
休み年末年始
アクセス佐賀駅バスセンターよりバスで「県庁前」下車、徒歩約2分 長崎自動車道佐賀大和ICより車で約25分
URLhttp://www.nabeshima.or.jp/main/

七賢人その2「大隈重信」(おおくましげのぶ)

大隈重信

1882年立憲改進党、1898年憲政党を結成し、内閣総理大臣を2度も務めた大隈重信は特に財政・外交面で活躍し、世界的な政治家と評価されました。早稲田大学創立者としても有名です。

●大隈重信ゆかりの地「大隈記念館・大隈重信旧宅」

大隈記念館

大隈記念館の外観(大隈記念館提供)

大隈侯の生誕125年を記念して開館した記念館。大隈重信の功績に関する映像や貴重な資料を展示しています。館内では常設展示のほか、明治維新150年の節目として、明治維新をテーマとした企画展やワークショップを開催予定。建物は国の登録有形文化財にも登録されています。

大隈重信旧宅

大隈重信旧宅(大隈記念館提供)

大隈重信旧宅は、天保以前の武家屋敷の面影を残した大変貴重なもので、昭和40年に国の史跡に指定されました。

名称大隈記念館・大隈重信旧宅
所在地佐賀市水ヶ江2-11-11
電話0952-23-2891
営業時間9時~17時(入場は16時30分まで)
料金大人300円(高校生以下無料※ 博覧会会期中の特別料金)
休み年末年始
アクセス佐賀駅バスセンターよりバスで「大隈重信記念館入口」下車、徒歩約3分 長崎自動車道佐賀大和ICより車で約25分
URLhttps://www.okuma-museum.jp/

七賢人その3「副島種臣」(そえじまたねおみ)

副島種臣

明治政府の外務卿在職中、樺太境界についてロシアと談判。また横浜港寄港のペルー商船から中国人奴隷を解放するなど、正義道溢れる外交官。書家としても有名。

●副島種臣ゆかりの地「副島種臣誕生地」

副島種臣誕生地

写真提供:佐賀市教育委員会

幼名次郎。体が弱く引込思案だったという。父は佐賀藩士の枝吉種彰。弘道館教授も務めた。種臣は18歳の時、副島利忠の養子となり改姓。生家は現在取り払われ、その地には佐賀県の福祉施設が建っています。敷地内に「蒼海伯副島種臣誕生地」と刻まれた巨碑が建てられています

名称副島種臣誕生地
所在地佐賀市鬼丸町
アクセス佐賀駅バスセンターからバスで「横小路」下車、徒歩約11分  長崎自動車道佐賀大和ICより車で約20分
URLhttps://www.saga-otakara.jp/search/detail.php?id=2436

七賢人その4「江藤新平」(えとうしんぺい)

江藤新平

明治維新期に卓抜した理論と抜きんでた事務能力で活躍した人物。初代司法卿として、廃藩置県、三権分立、議会の開催に尽くしました。しかし征韓論に敗れて辞任。明治7(1874)年、明治政府に対する「佐賀の乱」を起こしましたが、政府軍に敗北しました。

●江藤新平ゆかりの地「蓮成寺」(江藤新平埋葬の地)

蓮成寺

写真提供 佐賀市教育委員会

開山は江戸時代初期。佐賀戦争の主魁として捕えられ、明治7年4月13日佐賀城内で処刑された江藤新平の遺体は、親友相良宗蔵が貰いさげを受け、ここ蓮成寺に移した。寺には彼の遺徳を偲んで参詣人が押し寄せ、堀端から多くの賽銭が投げ入れられたそうです。

名称蓮成寺
所在地佐賀市鍋島2-19-1
アクセス佐賀駅または長崎自動車道佐賀大和ICより車で約12分
URLhttps://www.saga-otakara.jp/search/detail.php?id=2602

七賢人その5「島義勇」(しまよしたけ)

島義勇

2年間にわたり蝦夷・樺太を探検するなど、北海道開拓に貢献。北海道開拓判事として高く評価されましたが、憂国党を率いて反政府運動を起こし、佐賀の乱で敗れ、命を落としました。

●島義勇ゆかりの地「殉国十三烈士の碑」

殉国十三烈士の碑

写真提供:佐賀市教育委員会提供

明治七年の「佐賀の役」後に、その首謀者と目されて処刑された江藤新平、島義勇ら13人の志士を偲ぶため、佐賀県政百年を期に市民からの募金により建立。場所は佐賀県立博物館東側。

名称殉国十三烈士の碑
所在地佐賀市城内1丁目
アクセス 佐賀駅バスセンターよりバスで「博物館前」下車、徒歩すぐ

長崎自動車道佐賀大和ICより車で約25分

URLhttps://www.saga-otakara.jp/search/detail.php?id=2435

七賢人その6「大木喬任」(おおきたかとう)

大木喬任

明治政府以後、東京府知事、民部、文部、司法卿を歴任。初代文部卿として、学制・学校令・教育勅語など、現在の教育体制の整備に力を注ぎました。

●大木喬任ゆかりの地「大木喬任生誕地」

大木喬任生誕地

佐賀市教育委員会

幼名幡六、民平。父は少年時代に亡くなり、母の手ひとつで育ちました。15歳の時佐賀藩校弘道館に寄宿。”知恵者”とあだ名で呼ばれるほど優秀でした。後に大隈重信らと勤皇運動に参加。鍋島直正に版籍奉還を強く説きました。新政府では参議、文部、民部、司法卿、初代東京府大参事(現在の都知事)など数々の要職を歴任。明治32年病没。子息の遠吉も司法大臣をつとめました。誕生の地には父子2基の記念碑が建っています。

名称大木喬任生誕地
所在地佐賀市水ヶ江三丁目
アクセス佐賀駅バスセンターよりバスで「片田江」下車、徒歩約9分

長崎自動車道佐賀大和ICより車で約25分

URLhttps://www.saga-otakara.jp/search/detail.php?id=2425

七賢人その7「佐野常民」(さのつねたみ)

佐野常民

慶応3(1867)年、パリ万国博覧会を視察した際、赤十字の「自由・平等・博愛」の精神に触れ、帰国後、博愛社(現・日本赤十字社)を創設し、西南戦争の負傷者の救護に当たりました。

●佐野常民ゆかりの地「佐野常民記念館」

佐野常民記念館

体験学習施設の佐野常民記念館と佐賀藩海軍所跡地の遺構を顕在化した歴史公園からなります。日本赤十字社の生みの親である佐野常民の業績に関わる資料、遺品などを展示すると共に、次世代教育・ボランティア活動・生涯学習・地域交流活動を通して、常民の偉業や人道、博愛の精神を学んでいく人材育成の拠点施設となっています。

名称佐野常民記念館
所在地佐賀市川副町大字早津江津446-1
電話0952-34-9455
営業時間展示室 9:00~17:00
料金入館無料展示室のみ有料(大人300円・高校生以下100円)
休み 月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始
アクセス佐賀駅バスセンターからバスで「佐野常民記念館入口」下車、徒歩約6分 長崎自動車道佐賀大和ICより車で約40分
URLhttp://www.saganet.ne.jp/tunetami/

「肥前さが幕末維新博覧会」のおすすめスポット

●「幕末維新記念館」

幕末維新記念館

博覧会のメインパビリオンとして、幕末維新期の佐賀の偉業や偉人などを最新の映像技術等によりダイナミックに紹介する施設です。

体感シアター

「体感シアター」(写真)では、当時の佐賀の躍動をドラマティックに紹介。そのほか、「からくり劇場」「賢人ラウンドシアター」など映像を駆使したアトラクションが多数。楽しみながら明治維新について学ぶことができます。

名称幕末維新記念館
所在地佐賀市城内2-1-35(市村記念体育館)
電話0952-37-0181
営業時間9時30分~18時(最終入場:17時30分)
料金入場料についてはこちらを参照 https://expo.saga-hizen150.com/fee/
休みなし
アクセス佐賀駅バスセンターよりバスで「県庁前」(中央大通り)下車、徒歩約3分 長崎自動車道佐賀大和ICより車で約25分
URLhttps://expo.saga-hizen150.com/venue/memorial/

●「リアル弘道館」(旧古賀家)

リアル弘道館

大隈重信や江藤新平など、近代日本の礎を築いた偉人たちを輩出した藩校「弘道館」を紹介し、その学びを体感できる施設です。

「弘道館の一日」(写真)コーナー

「弘道館の一日」(写真)コーナーでは、マンガ風に設えられたグラフィックパネルに近づくと、耳元の音声ガイドが寮生活や藩主とのディベートなど当時の弘道館の特徴的な学びのシステムを紹介。その他、「弘道館おもしろ探検マップ」や「大隈重信メモリーズ」といったユニークなコーナーがあります。

名称リアル弘道館
所在地佐賀市柳町3-15(旧古賀家)
電話0952-37-0181
営業時間9時30分~18時(最終入場:17時30分)
料金入場料についてはこちらを参照 https://expo.saga-hizen150.com/fee/
休みなし
アクセス佐賀駅バスセンターからバスで「呉服元町」下車、徒歩約2分 長崎自動車道佐賀大和ICより車で約25分

営業時間 9時30分~18時(最終入場:17時30分)

URLhttps://expo.saga-hizen150.com/venue/kodokan/

薩摩や土佐の影に隠れがちですが、肥前(今の佐賀)も明治維新に重要な役割を果たした人物を輩出した地。ゆかりの地を巡れば、佐賀の乱など悲しい出来事の上に、今の日本は成り立っていると感じるはず。1人でじっくりと旅してみるのもいいかもしれませんね。

さらに詳しい情報は…

「肥前さが幕末維新博HP」

「佐賀市地域文化財データベースサイト さがの歴史・文化お宝帳」

(2018年7月12日公開)

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squidmania
旅行ライター。雑誌やWebなどでグルメ・お酒などを交えた旅行記事を執筆しています。