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幕末時代に活躍した「坂本龍馬」は、妻のお龍と一緒に「日本で初めて新婚旅行をした」人物だといわれていることをご存じですか?そして旅行先は、鹿児島県「霧島」。
「霧島」では、龍馬夫妻が訪れた道程を「龍馬ハネムーンロード」と呼び、愛のパワースポットとして巡る観光客も少なくありません。
今回は、そんな「龍馬ハネムーンロード」の中でも、一番長く逗留した「塩浸温泉龍馬公園」をご紹介します。
龍馬夫妻が「霧島」滞在に至った理由とは?

写真提供:ピクスタ
坂本龍馬は、慶応2年(1866年)旧暦1月24日未明(薩長同盟が成立した2日後)、京都伏見の「寺田屋」で幕士に襲われ手傷を負いました。
薩摩藩にかくまわれ傷の手当をしている時、家老小松帯刀と西郷隆盛から薩摩の「霧島」での温泉療養をすすめられ、旧暦3月4日、小松帯刀と西郷隆盛ほか数名、そして新妻お龍とともに、薩船「三邦丸」で大阪に発ち、鹿児島・天保山に到着。しばらく小松帯刀別邸に留まり、旧暦3月16日「霧島」を目指して船で向かったといわれています。

「塩浸温泉龍馬公園」にある「坂本龍馬・お龍新婚湯治の碑」にも、「妻のお龍とともに塩浸温泉で傷を癒やしながら、ふたりが生涯で最も楽しい生活をおくった。これが日本の新婚旅行の始まり」と彫られています。
龍馬が傷を癒やした温泉がある「塩浸温泉龍馬公園」

龍馬は、「霧島」滞在中、最長の18日間をここの「塩浸(しおひたし)温泉」で過ごしたといわれています。
「塩浸温泉」は、文化3年(1806年)頃、温泉で鶴が傷を癒やしていたことから「鶴の湯」とも呼ばれていて、切り傷や胃腸に効能があると言い伝えられ、龍馬は「塩浸温泉」をとても気に入ったそう。
以前は少し寂れてしまった場所でしたが、何度か整備され、平成22年(2010年)に現在の「塩浸温泉龍馬公園」として、新たな入浴施設、公園、龍馬の史料館が併設されました。
きれいな霧島の水が流れる川にも降りることができ、静かでこじんまりとした場所ですが、ゆったりと過ごすにはおすすめの場所です。

写真提供:ピクスタ
「塩浸温泉」の名前の由来は、岩に白い塩のようなものが付くことから「塩浸の湯」と呼ばれるようになったそう。
日帰り入浴施設「塩浸温泉」

ここが、まさに龍馬が「寺田屋」で負った傷を癒やしたといわれる「塩浸温泉」。現在宿泊はできませんが、日帰り入浴施設として温泉に入ることは可能です。

男湯は「龍馬の湯」、女湯は「お龍の湯」と名付けられた、源泉かけ流しのお湯です。泉質は、ともに炭酸水素塩泉で、濁りとわずかな鉄臭がするのが特徴。効能は、切り傷・皮膚病・胃潰瘍・神経痛など。
内湯のみで、露天風呂などはありません。
せっけんやタオルなどは有料で販売していて、予約も必要ないため突然行っても入浴が可能です。
龍馬とお龍の「縁結びの足湯」

温泉まで浸かる時間はないけれど「塩浸の湯」に入ってみたい!という方におすすめなのが、「塩浸温泉」と同じ源泉を引いているかけ流しの「縁結びの足湯」(無料)です。
龍馬夫妻が新婚旅行で湯治を行ったことから「縁結びの足湯」と名付けられていますが、夫婦やカップル以外にもツーリングで来られた人も気軽に立ち寄っています。
こちらでは「温泉卵」(100円)も購入できるので、小腹がすいたときに食べながら浸かるのもいいですね。
龍馬資料館「この世の外」

龍馬とお龍の「霧島」とのゆかりがわかる資料館「この世の外」では、大河ドラマ『龍馬伝』関連の展示も見ることができます。
「この世の外」の名称の由来は、龍馬が姉の乙女に送った手紙で「実にこの世の外かと思われ候ほどのめずらしき所なり」と、「霧島」を絶賛している名言から用いられています。
中に入ると、スタッフの方が詳しく説明してくださるので、龍馬ファンでなくとも、一度は足を運んでいただきたい場所です。
「龍馬の散歩道」

龍馬資料館「この世の外」の裏の方に、龍馬が登ったとされる道がそのまま残っています。100年以上前にできた道が今でも登ることができるという、とても貴重な伝説の道です。

途中にある鳥居はとても古く、周りの静けさや空気から非常に神秘的なものを感じます。神社前の階段は急な上に手すりがないため、上り下りの際は気を付けてください。
この「龍馬の散歩道」を歩いてみると、着物を着て、ケガをした体で歩いた龍馬夫妻に想いを馳せ、感心してしまいます。
特別に手を加えておらず、自然のままの状態を活かした場所なので、真新しいものは感じないかもしれませんが、だからこそ歴史を感じられる場所になっています。お時間がある方は、ぜひ歩いてみてくださいね。
【塩浸温泉龍馬公園】
住所 | 鹿児島島県霧島市牧園町宿窪田3606 |
電話番号 | 0995-76-0007 |
営業時間 | 【温泉・資料館】9:00~18:00(入浴受付は17:30まで)、9:00~15:00(年末年始) |
定休日 | 月曜 ※月曜が祝日の場合は火曜定休 |
料金 | 【温泉】大人360円、小人140円/【資料館】大人200円、小人100円/【足湯】無料 |
アクセス | 【電車】JR肥薩線「嘉例川駅」よりバスで約30分、「塩浸温泉」下車すぐ 【車】九州自動車道「溝辺鹿児島空港IC」より約15分 |
駐車場 | 25台 |
URL | http://siohitasi.web.fc2.com/index.html |