重要なお知らせ
名作が生まれた湯を求めて、文豪たちが愛した温泉地巡り

名作が生まれた湯を求めて、文豪たちが愛した温泉地巡り

毎年多くの注目が集まる、7月に行われる芥川賞の発表。今年は一体どんな名作が生まれるのでしょうか?

昔から温泉とゆかりをもつ作家は多く、誰もが知る文豪たちが愛した温泉宿は日本各地にあります。豊かな自然と温泉に癒やされながら、文豪たちは何を思ったのか……。彼らに思いを馳せる温泉巡りの旅はいかがでしょう?

大沢温泉 山水閣(岩手県・大沢温泉)

f:id:yukoyukofumufumu:20170911153023j:plain

大沢温泉は古くから湯治宿として親しまれ、山水閣、菊水館、湯治屋という3つの建物に分かれています。特に昔ながらの素朴な風情を残す湯治屋は宮沢賢治と深い縁があり、彼が少年の頃から頻繁に訪れていたとか。

お風呂は計6種類あり、特に男女混浴の露天風呂「大沢の湯」は宿の名物。豊沢川に寄り添う湯船からは山里の美しい緑を眺めることができます。

所在地 岩手県花巻市湯口大沢181

交通アクセス

(1) JR花巻駅からバスで約30分

(2) 東北道 花巻南ICから車で約15分

 

福元館(神奈川県・七沢温泉)

f:id:yukoyukofumufumu:20170911153051j:plain

『蟹工船』で知られる作家・小林多喜二ゆかりの宿、福元館。宿の離れには小林多喜二が約1ヶ月滞在した部屋が、当時の姿で残されています。

宿にはレトロで懐かしい雰囲気が残っており、広びろとした畳敷きの部屋では足を伸ばしてくつろぎたくなります。またお肌に優しい強アルカリ温泉は24時間入浴可能。湯上り後も保温性が高く、特に女性には人気が高いとか。

所在地 神奈川県厚木市七沢2758

交通アクセス

(1)小田急線本厚木駅からバスで約30分

(2)東名道厚木ICから車で約20分

 

雪国の宿 高半(新潟県・越後湯沢温泉)

f:id:yukoyukofumufumu:20170911153117j:plain

雪国の宿 高半は「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」という一文で始まる川端康成の『雪国』が執筆された宿として知られています。宿には川端康成直筆の色紙や作品がかざられた展示室や、映画『雪国』を上映する映画鑑賞室があります(1日1回上映)。

源泉掛け流しの大浴場は越後湯沢温泉でも珍しい「湯の花」が浮かび、効能は抜群。山から汲まれた水を利用した水風呂も、サウナ好きから大好評だそうです。

所在地 新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢923

交通アクセス

(1)JR越後湯沢駅から車・タクシーで約5分

(2)関越道 湯沢ICから車で約6分

 

聴泉閣 かめや(長野県・下諏訪温泉)

f:id:yukoyukofumufumu:20170911153143j:plain

江戸時代から続く由緒ある温泉宿・聴泉閣 かめやは、明治以降には芥川龍之介、島崎藤村など諸文豪が好んで宿泊した宿。島崎藤村の代表作『夜明け前』を執筆した「富士の間」には、現在でも他の客室と同様に宿泊できます。

皇女和宮や諸大名の寝所として使用された部屋やその庭園は、思わずため息が漏れてしまう美しさ。300年の歴史を感じつつ、優雅に滞在が楽しめます。

所在地 長野県諏訪郡下諏訪町横町木ノ下3492

交通アクセス

(1)JR下諏訪駅から徒歩で約20分、車・タクシーで約5分

(2) 長野道 岡谷ICから車で約10分

 

丹後の湯宿 ゑびすや(京都府・木津温泉)

f:id:yukoyukofumufumu:20170911153209j:plain

芥川賞受賞作家である松本清張とゆかりのある丹後の湯宿 ゑびすや。特に彼が愛した大正館(本館)は、ステンドグラスやアールヌーボー調建築が当時の趣をそのまま部屋やロビーに残されています。

宿の温泉には奈良時代から続く京都最古の温泉・木津温泉を使用。大正レトロな雰囲気の内湯は庭を眺めながらのんびりと浸かれます。

所在地 京都府京丹後市網野町木津196-2

交通アクセス

(1) 京都丹後鉄道 夕日ヶ浦木津温泉駅から徒歩で約3分

(2) 京都縦貫道 大宮ICから車で約30分

 

依山楼岩崎(鳥取県・三朝温泉)

f:id:yukoyukofumufumu:20170911153231j:plain

大正9年に創業した依山楼岩崎には、田山花袋や島崎藤村をはじめ多くの文豪たちが滞在。昭和初期には与謝野鉄幹・晶子夫妻が訪れ、宿にはふたりが詠んだ歌の掛け軸が残されています。

また宿では三朝温泉の湯を趣の異なる12のお風呂で楽しめます。ユニークな歩行湯や寝湯、蒸気風呂のほか飲泉場もあり、三朝の湯を心ゆくまで堪能できます。

地域 鳥取県東伯郡三朝町三朝365

交通アクセス

(1)JR倉吉駅からバスで約20分、タクシー・車で約15分

(2)中国道 院庄ICから車で約60分

 

文豪たちは一度の滞在で数ヶ月も宿泊したり、ひとつの作品を仕上げるため何度も宿に通ったりというエピソードもあります。彼らが愛してやまなかった宿には、きっと魅了されるだけの理由があるはずです。ゆかりある作家の名作を読んで予習をしてから、ぜひ一度滞在してみたいものですね。