歩いて回れる半径約1kmのエリアに、名所・旧跡、寺社、絶景スポットがギュッと詰まった鞆の浦。見どころが多くてどこを回るべきか迷ってしまう人も多いはず。そんな時は観光ガイドをお願いしてみては?実際に利用した体験リポートとともにご紹介します。
“鞆の浦のプロ”が案内してくれる

鞆の浦を知り尽くした観光ガイドさんと一緒に街を散策するサービス。土日祝の1日2回のガイドコースは予約不要でなんと無料です。
11時20分~と14時20分~の2コースがあり、どちらも所要時間1時間30分。福山市営渡船場に集合し、観光ガイドさんと一緒に常夜燈や昔ながらの町並みを歩きます。

平日や好きな時間帯に観光したい、自分たちだけで好きなスポットをめぐりたいなら、予約制の有料ガイドコースもあります。ガイド1名につき人数は25名までで、2時間以内2500円。同行者と割り勘すれば、かなりお得です。
有料施設を組み込んだコースも設定可能。自分たちの分の入館料が別途必要ですが、ガイドさん分はかかりません。

希望の出発・終了場所を指定することもできますが、特に希望がなければ出発場所=福山市営渡船場、終了場所=鞆の浦観光情報センターが基本。「鞆の浦観光情報センター」はバス停・鞆の浦停留所のすぐそばにあり、観光マップや最新のおすすめ情報が手に入る総合案内所です。

併設のともてつバスセンターには保命酒はもちろん、鞆の浦や福山のお土産が種類豊富に揃っています。鞆の浦を発つ前にお土産を買うならこちらでどうぞ。
●営業時間:9:00~18:00
●定休日:無休
●電話:084-982-3200
●URL:http://www.tomotetsu.co.jp/tomonouratic/index.html
●その他:有料ガイドコースはFAXにて要事前予約。詳細はHPをご確認ください
【ゆこゆこ限定クーポン】「鞆の浦観光情報センター」無料駐車券
「鞆の浦観光情報センター」にてこちらのクーポン画面を表示、もしくは印刷したものをお渡しください
※有効期限:2020年3月31日(火)。ただし、1月1日(水)~5日(日)、 2月29日(土)、3月1日(日)、3月7日(土)・8日(日)は利用不可
※満車の場合はご利用いただけません
※お1人様1回限り使用可能
※天候等により営業時間・休日は急遽変更となる場合があります
発見がいっぱい!ガイドサービス体験リポート

ガイドさんは30代~80代と幅広い年齢層の方がいて、ガイド歴30年という大ベテランも。今回体験した有料ガイドコースを案内していただいたのは、ガイド歴9年の吉岡睦雄さん。
観光ガイドを始めたきっかけは、福山の歴史や文化、自然などの知識を深める「福山知っとる検定」を受検して、各時代で歴史の中心になった鞆の浦に興味が湧き、もっと勉強して、魅力を伝えたいと思ったからだそう。

コースはおまかせしてもいいし、行きたいスポットを指定することもできます。
実は2日間かけて、鞆の浦で撮影を行っていた取材チーム。もうほとんどのスポットは把握したかと思いきや、吉岡さんとめぐるとあらたな発見がいっぱい。歴史や地形、建築物、景色、植物、和歌、『崖の上のポニョ』情報などなど、驚くほど博識で、ガイドブックに載っていない情報があふれるように出てくるんです。

たとえば、常夜燈を丘の上から撮ったこちらの写真。パンフレットで同じアングルの写真を見つけた取材チームが「この景色が撮りたい」と吉岡さんにリクエスト。細い路地をすたすたと抜けながら迷うことなくポイントに連れて行ってくれて、撮影できた1枚なんです。

67歳とは思えない健脚で、あちこち案内していただきました。「安国寺(あんこくじ)」は足利尊氏が南北朝動乱の戦死者を弔うために国ごとに造った諸国安国寺設置に伴い、鎌倉時代建立の寺院が安国寺と改称された寺院です。釈迦堂そばには桜の大木2本があり、春になると見事な枝ぶりで花を咲かせるのだとか。

一時衰退していた寺を戦国時代に再興したのは、毛利輝元と安国寺恵瓊(あんこくじ えけい)でした。釈迦堂の国の重要文化財、木造阿弥陀如来及び両脇侍立像の両脇には、2人の名前が刻まれていましたが、よく見ると名前の箇所だけ削り取られていると教えてもらいました。これは2人が徳川の敵方である西軍だったため、徳川幕府へ反逆の姿勢はないと示すためだったのもしれません。
観光ガイドをお願いすると、パンフレットや解説板だけではちょっと理解が追い付かない歴史的事項もすんなり頭に入ってきます。

わかりやすく鞆の浦の魅力を伝えたいとガイドさんによってさまざまな工夫がされています。吉岡さんのバッグの中には海上保安庁のホームページで調べた潮流マップや、自身で撮影した風景や植物の写真など、自作の資料がどっさり。各所で披露して、ビジュアル的にもわかりやすく説明していただきました。
鞆の浦愛にあふれた観光ガイドさん。2時間2500円では申し訳ないくらい、充実の時間が過ごせて断然おすすめです。
福山駅発の「鞆の浦定期観光バス」も便利

画像提供:福山市
福山駅から鞆の浦へ移動する場合、路線バスを利用すれば30分ほどで行けますが、観光名所に立ち寄りながら鞆の浦へ行ける「定期観光バス」を利用するのも効率的です。定期観光バスは春~秋の土日祝日限定で運行され、A・B・C・Dの4つのコースがあります。いずれも予約不要。乗車前に福山駅前のバス案内所内トモテツバス窓口で乗車券を購入しましょう。
【A・Bコース(午前)の特徴】
Aコース
・所要時間 片道約2時間30分/料金 大人2000円、小人1280円
・9:00福山駅出発→福山自動車時計博物館→明王院(車窓)→鞆の浦史跡めぐり→11:30鞆の浦解散
Bコース
・所要時間 往復約3時間/料金 大人2400円、小人1480円
・9:00福山駅出発→福山自動車時計博物館→明王院(車窓)→鞆の浦史跡めぐり→12:00福山駅解散
どちらも9時福山駅出発で、日本最古クラスのボンネットバスでご案内。Aコースは鞆の浦で解散、Bコースは福山駅まで戻ってくる点が異なります。午後も引き続き鞆の浦で観光を楽しみたい人はAコースがおすすめ。
立ち寄る場所は、クラシックカーやアンティーク時計を展示する「福山自動車時計博物館」。乗って、触って、写真も撮れる体験型展示が人気です。「国宝明王院(みょうおういん)」を車窓から見学し、鞆の浦では絶景スポット「福禅寺 対潮楼」や鞆の浦の古き良き町並みを車掌ガイドとめぐります。
【C・Dコース(午後)の特徴】
Cコース
・所要時間 片道約4時間/料金 大人3000円、小人1800円
・13:00福山駅出発→明王院→阿伏兎観音→グリーンライン展望台→鞆の浦史跡めぐり→17:00鞆の浦解散
Dコース
・所要時間 往復約4時間30分/料金 大人3400円、小人2000円
・13:00福山駅出発→明王院→阿伏兎観音→グリーンライン展望台→鞆の浦史跡めぐり→17:30福山駅解散
どちらもマイクロバスで13時に福山駅を出発。まずは国宝の本堂や五重塔が見どころの「明王院」へ。次に荒々しい岩肌の上に建つ朱塗りの「観音堂・阿伏兎観音(あぶとかんのん)」を参拝して、瀬戸内海を一望できる「グリーンライン展望台」に立ち寄ります。「鞆の浦」では絶景の「福禅寺 対潮楼」と豪商の邸宅「太田家住宅」を車掌ガイドがご案内。Cコースは鞆の浦解散、Dコースは福山駅まで戻って解散になります。
4コースとも施設入館料・バス乗車券(A・Cコースは片道)・ガイド料込みという料金です。効率的に回りたい、どこに行くべきか迷ってしまうという人はぜひ利用してみて。
●運行期間:2019年は12月1日までの土日祝(2020年は3月中旬~11月末の土日祝に運行予定)
●電話:084-952-3100(鞆鉄道株式会社 福山営業所)
写真撮影/浦田真行
取材・執筆/伊藤あゆ
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