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癒やしと美味しいを探して、ひとりふらっと週末熱海

癒やしと美味しいを探して、ひとりふらっと週末熱海

静岡の玄関口にある温泉リゾート・熱海を舞台に、ひとり旅・ふたり旅シニア旅という3つの切り口で、3つのストーリーをゆこたびが考えました。そのひとり旅編となります。

「土曜から日曜のお昼までゆったり過ごしたいなぁ」。そう思い立ったのは、ひとり旅好きなとある女性。JR東京駅から東海道新幹線こだまで約50分。癒やしと美味しいものにふれる、週末ひとり熱海旅の模様をお届けします。

profile

30代前半の独身女性。都内在住。1〜2カ月に一度は国内をふらっと旅をするのが習慣。アジアを中心とした海外旅行は年2〜3回。熱海を訪れるのは4年ぶり2回目。

※乗車時間(移動時間)は道路事情により、実際と異なる場合がございます。

 

JR東京駅から東海道新幹線こだまに乗って、約50分で到着するリゾート地、熱海。こんなに近いから「行きたい!」と思ったらすぐにお宿を手配し、行動に移せるのが嬉しいもの。

 

建築にも見惚れる「MOA美術館」

午前10時前、JR熱海駅に到着し、足湯を発見。さすが温泉街、駅前からして違います。ちょうど良い温度の湯に脚を浸けてリラックス。身体が芯から温まっていく感覚があります。幸せです。

足湯でぽかぽかした後は、駅前からバスで約7分、MOA美術館へ。希少なインド砂岩を使ったやわらかなベージュの壁は、雄大な自然となじむ色合いで洗練されていて、とてもきれい。

相模灘を見渡す高台(海抜270メートル!)に建っているので、とにかく見晴らしが最高です。空が澄み渡っている日は、房総半島や横浜もクリアに見渡せるのだとか。右手には熱海城も見えます。

エスカレーター入場口から、MOA美術館“名物”ともいえる、長い長いエスカレーターを上がっていきます。エスカレーターを3つ上ったところにある、万華鏡の中をライブカメラで天井に投影した円形ホールは見どころのひとつです。

万華鏡は世界的な万華鏡作家、依田満 ・百合子ご夫妻による作品です。「60歳以降の人生をどう生きようか。ふたりでものづくりができたら……」と考えながら過ごすうちに、おふたりが出会ったのは万華鏡だったといいます。大人になって新たな挑戦をしたご夫婦のロマンチックな作品にふれてみて。

ようやく1階についたら、お腹がすいてきました……。熱海で腹ごしらえをしたいと思い、朝食をほとんど食べてこなかったので、少し休憩を。そんなとき、ロビー近くにある「the café」が頼りになります。

独自に焙煎したオーガニックの「アイスコーヒー」(350円)と大美伊豆牧場でとれた良質なミルクを使ったソフトクリーム「プレミアムミックス」(500円)をいただきます。乳脂肪分はわずか4.5%と低脂肪。濃厚で爽やかな甘みが上品です。

展示室は1〜6室まであって、日本の伝統的な技法や素材を使用。展示室2には黒漆喰でできた“特別室”があり、国宝「色絵藤花文茶壺」が展示されています。

ほかにも貴重な美術品の数々が迎えてくれます。たとえば、可愛らしい「聖徳太子立像」。よく見ると左脚が少し曲がっています。2歳で東方に向いて合掌し、「南無仏」と唱えた伝えに基づいて作られたものです。

MOA美術館は最新技術を取り入れていることでも知られています。そのひとつが、アメリカ製の低反射高透過ガラス。展示を近くで見ようと顔を近づけると、ガラスに額がコンッとぶつかります。それほど透明度の高いガラスを用いている、ということ。

「二条新町 そばの坊」で「そば三昧」に舌鼓

展示をじっくり見たあとは昼食の時間。1階の茶の庭へ降りていきます。茶の庭には、茶室「一白庵」、茶室「樵亭」、「光琳屋敷」(復元したもの)などがあります。美しい植栽が特徴で、春は新緑、秋は紅葉と季節ごとに違う表情を見せてくれる庭です。

今回は「二条新町 そばの坊」へ。伝統的な蕎麦打ち技法のひとつである、長い麺棒を1本だけ使って打つ「1本棒・丸延し」で作られる蕎麦をいただきます。だから蕎麦打ちの台が長いのですね。

注文したのは、とろろ、くるみ汁、おろし、温泉卵、小天の付け合せから3種類選べる「そば三昧」(1740円・税込)。とろろ、くるみ汁、おろしをチョイスしました。

3つの食べ方ができてとても贅沢。穀物感と歯応えのある粗挽きの蕎麦は、いくらでもお腹に入りそうなほど美味しいです。

さらに、「ごぼうの天ぷら」(900円・税込)をいただきます。コーン油のほんのりした甘さ、ごま油の香ばしい香り……極薄に削ぎ切りされた天ぷらは、まったく重たさを感じさせない、品のある味わいでした。

参拝もパワースポット巡りも叶う、來宮神社

MOA美術館をあとにしたら、伊豆國霊社 熱海 來宮神社へ向かいます。タクシーで急斜面をくだり、うねうねした近道を通ると、5分ほどで到着。来福・縁起の神として古くから信仰され、全国から参拝者が集まる神社です。

本殿横の楠への小路を通り抜けたところには、樹齢2000年を超え、周囲23.9メートル、高さ約26メートルにもなる、本州一の大きさを誇る御神木 大楠が。

幹を1周すると寿命が1年延び、心に願いを唱えながら1周すると願い事が叶う――そんな伝説のあるパワースポットとしても知られています。近くで眺めているだけで心が洗われる感覚がありました。

続いて弁財天さまへお参りします。こちらは芸能や財運の神様で、芸能・芸術に従事する方たちも多く参拝にこられるそう。神様の使いが蛇であることから、お供えは卵。カラスが奪っていくため、置き石をして守っています。

來宮神社では参集殿にも特徴があります。御朱印帳の受付や御神札、御守り授与が行われるこちらのスペースは「屋内」になっているのです。巫女長の湯田実咲さんは、「來宮神社にはさまざまな御守り、縁起物がございます。冬は暖かく、夏は涼しい屋内でゆっくり見て選んでいただけるよう、心地よく過ごせるスペースを作りました」と話します。

実にいろいろな御守りがあります。他ではなかなか目にしないのが「虫除御守り」。いろいろな「悪い虫」から身を守るための御守りです。「酒難御守り」も初めて見かけました。その名の通り、飲酒による災難から見を守るためのもの。

他にも「食運御守り」「健康御守り」など、健やかに過ごしていく支えとなるような御守りが豊富に揃っています。初穂料は600円〜。

一通り境内を回ったあとは、おしゃれなオープンカフェ「茶寮 報鼓」へ。「フォンダンショコラ麦焦がしアイス添え」(550円・税込)と「ブレンド珈琲(アイス)」(400円・税込)をいただいて休憩します。

濃厚なチョコがとろりと流れ出るフォンダンショコラは、伊豆名産のオレンジを使ったマーマレードが添えられ、酸味が良いスパイスとなり、甘すぎない大人のスイーツです。添えられた麦焦がしアイスの「麦焦がし」は、來宮神社の御祭神が熱海にお着きになった際、麦焦がしのほか、橙、ところ、百合根をお供えしたところ、御祭神が大変喜ばれたという古記が伝わっているのだそう。

この麦焦がしを使い、地元の菓子店が作ったお菓子も、茶寮 報鼓で「来福スイーツ」として販売されています。お土産に買うのもおすすめです。澄み渡った空気のなかで、癒やしのひとときを過ごしました。

ちなみに、境内には地面に落ち葉で形作られたもののほか、3つのハートマークがあります。探してみるのも楽しいですよ。

海を望む「熱海シーサイド スパ&リゾート」へ

來宮神社でゆったりしたあとは、タクシーで約7分、今回宿泊するお宿「熱海シーサイド スパ&リゾート」へ。

熱海までクルマではなく公共交通機関で来た場合、レンタカーを借りるほど長距離を移動しない場合は、タクシーで回るのが時間的にも金銭的にも効率的。コンパクトにまとまった街だからこそ、熱海内の移動はとてもしやすいのです。ただ、急な坂道が多いので、重たい荷物を持って徒歩だと大変。そんなときにタクシーが助かります。

熱海シーサイド スパ&リゾートは全室オーシャンビューを堪能できる素晴らしい立地のお宿。この日泊まるお部屋は8階で眺望も最高です。

荷物を置いて早速向かったのは温泉。源泉かけ流しの温泉が自慢です。大浴場の露天風呂からは海を望むことができます。ウッディな内装も落ち着きます。

2018年4月に館内リニューアルが行われ、レストランのほか、大浴場も素敵に生まれ変わりました。その際、女性風呂にはスチームサウナが新設されています。

この日はよもぎスチームが置かれ、身体が芯からぽかぽかと温まったようでした。

身体をじっくり温めたあとは、夕食まで時間があるので、ロビーでくつろぎます。土日はコンサートが開催されることもあるという、広々としたスペースはのびのびできます。季節によって異なるウェルカムドリンクも用意されています。

「囲炉茶屋」で熱海の魚介を贅沢にいただく

夕食はJR熱海駅から徒歩2分のところにある「囲炉茶屋」へ。お宿からタクシーで5分ほど。

全国各地から集めた民芸品が置かれた、どこかほっとする昔懐かしい店は、久しぶりに祖父母宅を訪れたかのような気持ちにさせてくれる空間。

この日いただいたのは、伊豆・熱海近海で捕れた海の幸を贅沢に使用した「金目鯛の干物とお刺身定食」(2600円)。お刺身は真鯛にマグロ、アジのたたき、ワラサ、イカ、桜海老がたっぷり。真鯛は日替わりで別のお魚に変わることも。一切れ一切れがとにかく肉厚なのも港町ならではではないでしょうか。

お腹が満たされたら、急な坂道をくだってお宿へ戻ります。でも、少し夜の熱海を散歩したい。

そう思い、向かったのはお宿から海沿いに歩いて7〜8分のところにある熱海銀座商店街。脇道を入ると小料理屋や居酒屋が並んでいます。

すれ違う人たちにおすすめを聞いて、熱海名物「イカメンチ」(2個で600円)が食べられる「味里」へ。熱海市網代港に伝わる郷土料理で、イカのすり身にアジ、野菜を加えて油で揚げたもの。(事前の取材申請をしていないため写真はなく、文章のみとなりますが)イカのもちもちした感と人参のコリコリ感が絶妙なバランスでした。

お宿へ戻ってからは予約しておいた貸切風呂へ。40分交替制で、3000円で借りられて、絶景を独り占めできるのが最高です。1日に2回も温泉を楽しんで眠りにつきます。

再訪したい温泉街、熱海の魅力にふれた旅

おはようございます! 朝は3階の和洋ビュッフェダイニングに。相模湾の朝日を眺めることができる窓際のカウンター席がおすすめです。

約60品もの料理から好きなものを好きなだけ。あじやさばの干物のほか、イカとおくら、甘エビととびっこ、ボイル帆立など、海の幸をたっぷりいただきます。

朝から栄養いっぱいの食事をいただいて元気いっぱい。エネルギーをチャージして、東京へ戻ります。1泊2日のマイペースひとり旅で、思いっきりリフレッシュできました。またパワーをもらいたいとき、熱海を再訪するつもりです。

【旅中に立ち寄ったスポット】

MOA美術館:http://www.moaart.or.jp/

二條新町 そばの坊:http://sobanobou.com/

來宮神社:http://www.kinomiya.or.jp/

熱海シーサイド スパ&リゾート:https://www.yukoyuko.net/7088

囲炉茶屋:http://www.irorichaya.com/

【かかった金額】

MOA美術館

鑑賞券(1600円・税込)

the cafe

アイスコーヒー(350円)

プレミアムミックス(500円)

二條新町 そばの坊

そば三昧(1740円・税込)

ごぼうの天ぷら(900円・税込)

來宮神社

酒難御守り(600円)

フォンダンショコラ麦焦がしアイス添え(550円・税込)

ブレンド珈琲(400円・税込)

囲炉茶屋

金目鯛の干物とお刺身定食」(2600円)

味里

イカメンチ(600円)

熱海シーサイド スパ&リゾート

宿泊費(1万4167円〜)

※宿泊料金は変動します

貸し切り風呂(3000円)

交通費

新幹線(東京⇔熱海)6420円×2=12840円

熱海市内でのタクシー移動費 約5000円

約4万4847円

※税別で表示。税込の場合のみ「税込」と記載。

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Photo/タカハシアキラ