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東京から新幹線を乗り継いで約1時間30分。伊豆半島の東海岸の中心に位置する伊東は、首都圏有数の温泉リゾート地です。開湯は平安時代とも言われ、江戸時代には徳川家光への献上湯も行なわれていたとか。
温泉だけでなく、相模湾の新鮮な海の幸やみかんなどの山の幸、伊豆高原の美術館や博物館、アウトドアスポーツなど、多彩な魅力にあふれています。
誰もが知る定番の観光地ですが、「実は魅力的な場所が多すぎて、いつも紹介しきれず困っているほど」と言うのは伊東観光協会の河西信吾さん。4月17日には伊豆半島が世界ジオパークに認定されたばかり。今回は河西さん直々に、伊豆ジオパークの見学拠点も含む伊東のおすすめ観光スポット、注目の新スポットを案内していただきました。
のんびりくつろげる「ニューヨークランプ&フラワーミュージアム」

まず河西さんが案内してくれたのは、城ヶ崎海岸に2017年12月24日にオープンしたばかりの「ニューヨークランプ&フラワーミュージアム」。長く“花の公園”として愛されてきた施設がリニューアルしました。
入るとすぐ四季折々の花々。その向こうに見える海の青さの絶妙なコントラストに、ハッと胸を打たれます。

奥に進むと「ニューヨークランプ&フラワーミュージアム」の建物が。

アメリカン・アール・ヌーボーの傑作といわれるティファニー・ランプが、ステンドグラスのテーブルランプを中心に、フロアランプ、シーリングランプ、ウィンドウパネルなど約70点展示されています。

「これだけの数のティファニー・ランプが一度に見られるのは、国内外でも非常に珍しいそうですよ」と河西さん。
中には一億円を超える“お宝”もあるとか。

ステンドグラスやアンティーク家具が配された別館は、ミュージアムショップも兼ねていて、ファブリルガラスの花器などを購入することができます。
その先は明るく開放的なミュージアムカフェ。フラワーガーデンと城ケ崎海岸の絶景を眺めながら優雅なランチ&デザートが楽しめます。


プレッツェル、生ハムとサラミの盛り合わせ ルッコラとともに(スープ・ドリンク・プチデザートセット1,680円)

駿河湾しらすをたっぷり使ったフレッシュトマトのペペロンチーノ アンチョビの香り(サラダ・スープ・ドリンク・プチデザートセット1,890円)、ノンアルコール・スパークリングワイン・ロゼ(ボトル950円)

エディブルフラワームースゼリー〜白ワイン香るゼリーと伊豆高原名物やまもものババロア〜(ドリンクセット1,300円)

ニューヨークチーズケーキ〜甘酸っぱいブラッドオレンジジェラートを添えて〜(ドリンクセット1,250円)
「季節の花や城ヶ崎海岸の景色を眺めながら、のんびりと時間を過ごすのにもってこい。僕も今度デートで来たいなあ」
施設名称 ニューヨークランプ&フラワーミュージアム所在地 静岡県伊東市富戸841-1
営業時間 9:00~17:00(11月〜2月は16:00まで)
料金 大人(中学生以上)入館料1,200円
交通アクセス
(1) 伊豆急行・伊豆高原駅から東海バスで約9分
(2) 東名道 厚木ICより小田原厚木道路・国道135号線経由で1時間20分
恐怖の名所!? 足すくむ「門脇つり橋」

続いて訪れたのは、「ニューヨークランプ&フラワーミュージアム」から車で5分の「門脇つり橋」。こちらは、城ヶ崎海岸の中でも名所と言われる場所です。
そもそも城ヶ崎海岸は、伊豆半島ジオパークの見学拠点の一つである大室山が約4,000年前に噴火したとき海に流れ出した溶岩が、海の侵食作用で削られてできた約9kmにわたる雄大な溶岩岩石海岸。
「門脇つり橋は、その削られた窪みにかけられたつり橋で、長さ48m、高さ23mあります。渓谷にかけられたつり橋は多いですが、海岸にかけられたつり橋はそう多くありません」
遠くから見ているだけで怖いのに、「渡ってみましょう」と河西さん。ええ!?本当ですか!?
渡ってみると、橋は頑丈にできていて、身の危険を感じることはありませんが、橋の下は波打つ海面。思わず足がすくみます。

断崖絶壁の海岸はすれすれまで行くことができます。

まさに追い詰められたサスペンスドラマの犯人の気分!
「どうです、気分爽快でしょう!?」

ハハ、そうですね……(汗)。
施設名称 門脇つり橋所在地 静岡県伊東市富戸
交通アクセス
(1)JR伊東駅より車で約30分
(2)伊豆急行・城ヶ崎海岸駅より徒歩約25分
まさに天空の大パノラマ!「大室山」

伊豆高原のどこからみても、お椀をふせたような柔らかな曲線のシルエットが美しい大室山。標高580mの山頂に直径300mのすり鉢状の噴火口を持つ休火山で、山のすべてが植物のカヤにおおわれています。

写真提供:伊東観光協会
「2010年には、国の天然記念物に指定されました。毎年2月にカヤを焼く“山焼き”は、TVのニュースでも紹介される伊東の風物詩です」
そして、2018年4月17日には、伊豆半島が世界ジオパークに認定。この大室山もジオパークの見学拠点であるジオサイトの一つです。
今回は、山焼きを終えたばかりの大室山にリフトで登ってみました。

片道約6分。頂上に着くと、目の前は大室山の火口。歩道が整備されているので、いわゆる「お鉢巡り」も気軽に楽しめます。


一周は約1km。相模湾に浮かぶ大島、伊豆七島から天城連山、富士山、箱根へ続く山並と、歩くごとに景色を変える大パノラマは、見ていて飽きません。


「伊東で一番の絶景スポット。ここに来るといつも“人間なんてちっぽけだな〜”と思ってしまいます」

なお、深さ70メートルの噴火口跡はアーチェリー場になっていて、初心者でも1人1時間1,000円(入場料・道具代)で気軽に体験できますよ。

名称 大室山所在地 静岡県伊東市池672−2
営業時間 リフト営業時間9:00~17:15(3月15日〜9月30日。それ以外の日にちは要確認。荒天運休あり)
料金 リフト料金大人(中学生以上)往復500円
交通アクセス
(1)JR伊東駅より車で約30分
(2)伊豆高原駅発シャボテン公園行バス終点下車徒歩約10分
雄大な大室山を背景に“百花繚乱”の「さくらの里」

写真提供:伊東観光協会
今回は時間の都合で足を運べませんでしたが、大室山の麓の公園「さくらの里」も河西さんのおすすめ。園内には約40種1500本の桜が植えられています。
9月中旬には十月桜が咲き始め、冬から春にかけては寒桜、大寒桜、伊東桜、ソメイヨシノ、枝垂桜、八重紅大島桜、大島桜、八重桜の関山・松月・奥都など、5月初旬まで約8ヵ月にわたり、大室山を背景に様々な種類の桜がたえまなく咲きほこるそうです。
「でも一番華やかなのはソメイヨシノの他、たくさんの桜が一斉に咲く4月。さくら名所100選にも選ばれているので、ぜひ足を運んでみて下さい」
名称 さくらの里所在地 静岡県伊東市富戸1317−4
アクセス
(1)JR伊東駅より車で約30分
(2)伊豆高原駅発シャボテン公園行バス終点下車徒歩約10分
温泉地の伝統と文化が“体感”できる「東海館」

最後に河西さんが案内してくれたのは「東海館」。
伊東の市街地の中心、松川沿いに立つ3階建ての木造建築物です。
「昭和3年に庶民の温泉旅館として開業し、沢山の方々に親しまれ大いに賑わいましたが、平成9年に廃館。その後、伊東市に寄贈され、平成13年に伊東のランドマークとして新しく生まれ変わりました」
見るからに美しい和風建築。
「唐破風づくりの玄関の軒下には、鶴、朝日、亀と縁起物が彫刻されています」

館内も、廊下や階段、客間の入り口など、館内随所に職人たちの手工を凝らした建築美が見られます。

そして河西さんが「一番見せたかった」というのが、この120畳の大広間。
「昔はここで大宴会が行われたとか。どれくらい伊東が栄えていたかわかりますよね」

「この鴨居も見て下さい。ものすごく精巧な細工がほどこされているでしょう? こうした部分にまで手を抜かない、昔の職人さんのこだわりが伝わってきます」


館内には展示室や、喫茶室もあります。


そしてなんと、お風呂も!
全面タイル張りの大浴場に、土日祝限定で入浴することができます。
(今回は平日だったので入れず。残念!)

「今や貴重となった伝統の日本の建築様式。心ゆくまで堪能して下さい」
名称 東海館所在地 伊東市東松原町12-10
営業時間 館内見学は9:00〜21:00、喫茶は10:00〜17:00、入浴は11:00〜19:00(土日祝のみ)、休館日は毎月第三火曜日(祝祭日の場合は翌日休館)
料金 入館料大人200円、入浴料大人500円
交通アクセス JR伊東駅より徒歩7分
訪ねたら絶対に買うべき伊東のおすすめ土産4選
東海館のほど近く、商店街の「キネマ通り」にある情報発信基地「ぬくもーる」のスタッフさんがおすすめしてくれた伊東のお土産をご紹介します。
●しらすせんべい(かずさや観光物産)
12枚入り648円

伊東のしらす専門漁船「美吉丸(みよしまる)」が地元の海でとったしらすだけで作ったおせんべい。サクサクとした食感と、海の香りが最高!
● 伊豆のはちみつ 百花・みかん(はちみつ工房 野田)
各小瓶110g入り900円

伊東市の養蜂家が作った蜂蜜。百花とはその季節に咲く色々な花の蜜からできた蜂蜜で濃厚な味わいが特徴。ミカンは文字通りミカンの花の蜜からできた蜂蜜で爽やかな香りが特徴。どちらも伊東の自然を味わえる一品。
● 伊豆のしずく(三浦製菓)
5個入り432円

化粧品会社のDHCが、伊東市赤沢の工場で採取した水深800メートルの海洋深層水を使用。伊豆特産のニューサマーオレンジの香りがとても爽やかな一口サイズのゼリーです。
● ひとふりぐり茶(市川製茶)
1缶(20g入り)540円

伊東の名産・ぐり茶。正式には“蒸し製玉緑茶”と言いますが、茶葉の見た目が渦のようにぐりっとしているので、伊豆地方ではこう呼びます。お土産としても人気ですが、出がらしにもまだまだたっぷりの栄養素が残っているそうで、それを乾燥させて粉末にしたのがこの商品。普段の緑茶やお菓子、お料理に一振りすれば、緑茶葉の栄養素がまるごといただけます。
名称 伊東の情報発信基地「ぬくもーる」所在地 静岡県伊東市松川町4-16 鈴藤ビル1階
営業時間 10:00~17:00、水曜日休み
交通アクセス JR伊東駅より徒歩6分
まとめ
伊東という名前はよく知っていましたが、おしゃれなミュージアムやカフェあり、大自然あり、文化的建造物ありと、知らない魅力がたくさんで驚きました。
今回は紹介できませんでしたが、アウトドアレジャーなども楽しみ。
四季折々、老若男女が楽しめる伊東。
ぜひ足を運んでみませんか?
伊東観光協会のホームページ
(2018年3月18日公開)
伊東温泉の宿情報はこちら