長年、龍神の研究をしているドクターいわく、
1年の間で、3ヶ月間、日本中の龍が壱岐に集まる。そして、その内、3日間は宇宙へいく。
…なんとまぁ。
変わったお医者さんもいるものだ。
龍神、蛇神、弁財天…。日本各地にいわゆる「水神」系の神さま仏さまが多く祀られている。おそらくは、瀧や川、海、湖など水に関することが古代から重要だったのだろう。日照りや川の氾濫が、今日では考えらないほど生き死に影響してきた。
こういった水系の神さまの中でも、信仰者が多いのが龍神だ。ちなみに、「龍」と「竜」の字があるが、天駆けるのを「龍」、地をゆくのが「竜」といわれている。
そんな龍の島、壱岐へ出かけてみよう。
日本一、神さま仏さまが密集している島、壱岐
九州北方の玄界灘にある南北約17km・東西約14kmの島、壱岐。
第一回で紹介した金華山も霊島と呼ばれるほど、神さま仏さまが密集した島だったが、壱岐は、また別格の島。
古事記にイザナギとイザナミによる国生み神話がある。オノゴロ島に降り立った2神は、淡路島、四国、九州、壱岐、対馬、佐渡ヶ島、本州を次々生み出した。この国生みにより、「大八洲国(おおやしまぐに)」、すなわち日本が誕生した。壱岐は、超重要な8つの島のひとつ(5番目に生まれた)。
しかも、「魏志倭人伝」の中では、独立した1つの国「一大國」(他の歴史書では、一支国=いきこく)として記されている。
神社の数もまたすごい。
島内で神社本庁に登録されているだけで150社。その他の神社や祠を加えると1,000を越えるという。なかでも、平安中期(927年)に編纂された法令集「延喜式」で朝廷が認めた神社(式内社)が24社もある。九州全体で式内社は109社だから、約四分の一がこの小さな島にあるということ。また、古墳も多い。
大陸、半島と九州の間に位置することから、歴史的にもいろいろ重要だったのだろう。
また、朝廷で、吉凶を占う「亀卜(きぼく)」を担当した職のことを卜部(うらべ)という。さきの「延喜式」によると、卜部は伊豆、壱岐、対馬の三国から採用されていたとか。

住吉神社の風格ある鳥居

國片主神社の狛犬ならぬ、狛牛?
7つの爪をもつ龍に出会う
話を龍神へもどそう。この島でもっとも高い「岳の辻」(標高212.8m)
に「龍光大神」が祀られている。最近では、パワースポットしても人気らしい。
ここに祀られている龍像で面白いのは、爪が7つあることだ。通常、日本では、龍の爪は、3本で描かれる。中国の皇帝が使う龍の文様だけが5本爪。
これは、日本に龍が伝わってきたときは3本爪で、その後、中国では5本爪になったとか、まぁさまざまな説があって興味深い。
ただ、7本というのは、面白い。
私の専門である「気功」のポイントは、「設定」だ。神さま仏さまが本当にいるかどうかは、わからない。ただ、「本当にいる」と「設定」してみるのだ。
龍神が本当にいると思い、助けてくれると設定してみよう。

意外とこじんまりした龍光大神神社

こちらが7本爪の龍像

爪をアップにしてみると…

岳ノ辻からは、壱岐を見渡すことができる。絶景かな
ここにいらっしゃったのか!ツキヨミ
イザナギの左目からアマテラス、右目からはツキヨミ(ツクヨミ)、鼻からはスサノオが生まれた(古事記)。
なにかにつけ、目立つ2神に比べ、控えめな印象のツキヨミ。そんなツキヨミの元宮「月讀神社」が壱岐にある。「日本書紀」にここから、(西暦487年)京都へ分詞されたと記されている。
夜の世界、陰陽でいえば、陰の世界を統べるツキヨミ。心の世界、潜在意識の世界の主ともいえる。人はとかく、陽の世界、表の世界に意識がいきがちだが、内面の世界も大切。
ツキヨミが、女性に人気なのもわかります。ちなみに、浦島太郎(浦嶋子)は、ツクヨミの子孫にあたる。
壱岐は、古代の謎に包まれた自然豊かな島。歴史探訪、自然散策にも最高の場所だ。ぜひ、そのエネルギーを感じてほしい。

階段上に小さな山小屋のような本殿がある。

月読とは、暦を読むこととも言われる。陰陽道の流れかも
玄界灘の獲れたて魚介や壱岐牛を味わう
玄界灘に浮かぶ壱岐は、魚の宝庫。寒ブリ、サワラ、イカ、ウニ、クエ、ヒラメ…。季節季節でさまざまな旬の魚を愉しめる。地元民にも人気の『三益寿司』では、地の魚をしっかりした技術で握ってくれる。海鮮丼も人気だが、やはり鮨屋では、鮨をいただくのが王道かな。
特に5月から10月は、赤ウニの季節。
赤ウニは、九州地方だけで獲れ、消費される濃厚なウニ。関東では幻のウニとも呼ばれている。この時期に旅するならぜひ

旬の地物の魚を中心に握ってくれる。値段もリーズナブル

この道何年という大将。雰囲気あります
名称 三益寿司所在地 長崎県壱岐市郷ノ浦町郷ノ浦74
交通アクセス 郷ノ浦港より車で3分、塞神社右へ3軒となり
また、壱岐は、牛どころとしても名高い。
古くは「古事記」の中で、宮廷の牛車の牛は壱岐牛だったと書かれている。近年、肉食用に品種改良された。仔牛の段階で、神戸牛や松阪牛等の元牛として出荷されていたので、世には知られていなかったようだ。
そんな壱岐牛を気軽に味わえるのが、『壱岐牛焼肉 郷』、『味処うめしま』だ。

壱岐牛焼肉 郷』の壱岐牛。サシの入り方がすごい

生産から販売まで一貫しているという『味処うめしま』

肉の甘みを感じる。ぼやぼやしてると焦げ付きます
名称 壱岐牛焼肉 郷所在地 長崎県壱岐市郷ノ浦町郷ノ浦74
交通アクセス 郷ノ浦港より車で3分
名称 味処うめしま所在地 長崎県壱岐市芦辺町箱崎中山触2604-86
交通アクセス 芦辺港より徒歩2分
名称 壱岐交通アクセス 船:博多港から郷ノ浦港までカーフェリーで約2時間20分、高速船で約1時間5分、芦辺港までカーフェリーで約2時間10分、高速船で約1時間5分。唐津東港から印通寺港までカーフェリーで約1時間40分
飛行機:長崎空港から壱岐空港まで約20分。
(2018年4月14日公開)
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