名湯揃いの『塩原温泉』では、9月に3つのお祭りが開催されます。どれも温泉に由来することや歴史の長いものばかり。それぞれご紹介します。
『塩原温泉』の温泉力とは?
塩原温泉郷(しおばらおんせんきょう)は、栃木県北部の広大な那須野が原から、 北西の方角に連なる山中に分け入った箒川(ほうきがわ)の渓谷沿いに連なる11地区の温泉地の総称です。温泉の発見は西暦806年といわれており、1200年以上の歴史を刻みながら温泉を守ってきました。
源泉数は実に150ヵ所以上もあり、温泉の宝庫です。数だけでなく泉質もバラエティ豊か。全9種の温泉の泉質のうち6種類の温泉が楽しめ、効能も多岐にわたります。酸性・中性・弱アルカリ性の湯が揃い、7色の温泉が湧き出ています。また、渓川沿いや山間部など四季折々の美しいロケーションに囲まれ、心身ともに癒やされる温泉地なのです。
『塩原温泉まつり』

塩原温泉は明治の時代より、時の皇太子(後の大正天皇)の別荘地として塩原御用邸がおかれ、皇室とのゆかりが深い地域です。大正天皇の即位の大礼が行われた大正4年、塩原の人々は人形を載せた花屋台(山車)を仕立て、御用邸の前でお祝いしたものが『塩原温泉まつり』の起源とされています。
現在は6地区から山車が繰り出して、お囃子を奏でながら細長い温泉街をにぎやかに練り歩きます。塩原温泉に秋の訪れを告げる祭りとして、地域の人々がもっとも楽しみにしている祭りとなっています。

山車は、毎年地域の若連が夜な夜な集中して制作する力作で見応えがあります。
【開催日】2018年9月9日(日)・10日(月)
【場所】 塩原温泉街
【住所】 栃木県那須塩原市塩原
『塩原八幡宮例大祭』
塩原八幡宮の境内には御神木の「逆杉(さかさすぎ)」があります。樹齢1500年以上といわれる2本の夫婦杉で、枝が大きく垂れていることから逆杉と呼ばれ、国の天然記念物に指定されています。境内は夏でもひんやりとした静ひつな空気に包まれ、清らかな水が流れます。

『塩原八幡宮例大祭』は、五穀豊穣と家内安全を祈り執り行われ、本殿の前では中塩原関白流獅子舞が奉納されます。栃木県無形民族文化財指定で200年前から伝わっているという伝統文化です。

【開催日】2018年9月15日(土)
【場所】 塩原八幡宮
【住所】 栃木県那須郡塩原町中塩原11
『塩原温泉古式湯まつり』
開湯1200年以上を誇る温泉郷「塩原温泉」。 江戸時代の万治2年(1659年)に塩原を襲った大地震により山津波が起こります。塩原温泉発祥の地である元湯が土砂に飲み込まれ、温泉の湧出が途絶えてしまいましたが、当時の領主や塩原の人びとはその復興を願い温泉神社に祈りを捧げ、その甲斐あって温泉が再び湧き出でるようになったという故事があります。

温泉の恵みに感謝し、末永い繁栄を祈願する『塩原温泉古式湯まつり』。元湯で汲んだ「御神湯」を鎮守塩原八幡宮に奉納した後、各地区の温泉神社や源泉に分けるようになったのがはじまりと伝えられています。

また当日は、奥塩原新湯地区の外湯3湯(寺の湯・中の湯・むじなの湯・)と、畑下(はたおり)地区の「下の湯」と、一部旅館の温泉が無料で入れる「温泉ふるまい」もあります。特に、「下の湯」は通常は住民のためのお風呂なので、この日限りの特別な開放デーとなります。
【開催日】2018年9月30日(日)
【場所】 塩原温泉内
御神湯湯汲み式:元湯温泉
御神湯奉納:塩原八幡宮
分湯行列:那須塩原市役所塩原支所から湯っ歩の里
分湯式・巫女舞・雅楽演奏:湯っ歩の里
【問い合せ先】塩原温泉観光協会 電話:0287-32-4000