400年以上続く、福島の伝統工芸“会津木綿”は、夏は暑く冬は寒い会津の気候に合った木綿の着物で、以前は日常着として用いられていました。現在は日常的に着物を着る機会も減り、会津木綿を作っているのはわずか2軒の織元なのだそうです。
旅先では、その土地の文化や歴史を感じたいという思いから、最近は織物の産地ではその土地の着物でまちを散策するという楽しみ方をしています。
今回の旅は、福島県の会津。
会津若松で着物のレンタルを行っている「素材広場」に立ち寄ります。ここでは、福島県に来た人を福島らしさでおもてなしをするために様々な企画を行っています。
会津で着物レンタル 華やか日和(素材広場)

気軽に着られる街着や、会津木綿などから着物を選んで着付けをしてもらいます。選んだ着物や返却時間、返却場所により料金が異なりますので詳細はHPをご覧ください。
素材広場所在地:福島県会津若松市八角町13-45
電話:0242-85-6571/FAX:0242-85-6572
営業時間:
平日8:30~17:30
*定休日:月曜・祝日・年末年始・お盆
土日8:30~17:30(着物レンタルのみ)
https://www.tabi.sozaihiroba.net/
大正ロマンな街着も可愛らしかったのですが、せっかく会津なのですから会津木綿の着物を選んでみました。
素材広場から車で約50分。大内宿へ。
「着物で運転していく? それなら崩れにくい帯にするわね。」とお気遣いいただいた着付けのおかげで着崩れすることなく運転も楽々で大内宿へ到着。駐車場はいくつかあり、係員の誘導により定められた所に停めます。料金は後払いで400円。機械ではなく係員に支払いをします。
大内宿(おおうちじゅく)

大内宿は、重要伝統的建物群保存地区であり、茅葺屋根の民家が並ぶ江戸時代にタイムトリップしたような雰囲気が味わえる宿場町で、現在はお土産屋・そば屋・カフェなどとして営業している家が多くあります。
旅の目的のひとつ、食。
ここでは、“ねぎそば”を食べてみたいと思います。
通りの両脇にはそば屋が並びます。ほとんどのお店では店外にメニューを掲げていました。メニューを見た限りでは、ねぎそばを出していないお店もあるようですのでご注意ください。
石原屋(脇本陣)

茶屋 石原屋
所在地:福島県南会津郡下郷町大字大内字山本5
電話:0241-68-2914
定休日:不定休
1本のねぎをお箸代わりに、いただきます。そばは温かいものと冷たいものから選びます。
子宝に縁起が良いと祝言の席で提供されたり、徳川幕府への献上品だったりしたことからねぎを「切る」ことは縁起が悪いとされ、そのままねぎを1本添えたという話が残るねぎそば。ねぎを箸の代わりにそばをからめて食べますが、もちろん箸の用意もありますので箸で食べても構いません。
前日に雪が里におりたため、うっすらと雪化粧した大内宿。少し高台に上りました。
正面の坂は急ですが、脇に緩やかな坂がありますので、急な坂が不安な方はそちらから。

ここで、ジオラマで見たように撮れる「ミニチュア写真」を撮る予定でしたが、カメラの充電が0になってしまいました。残念。
替えの電池を違うバッグに入れてきたのが敗因です。この後からはスマホで撮影。
本家 玉屋 きんつば

行列ができていたので、いったん通り過ぎ、高台に上ったのですが下りてきた時もまだ行列だったのでどうしても気になり、最後尾に並びました。きんつばという文字が見えましたが、焼いている方の手元を見ると私の知るきんつばとは異なる、大判焼きのようです。
後ろに7~8人が列を作りましたが「すみません、生地が終わってしまいあと3個しかありません。申し訳ありません。」と女将さんが後ろの方にお話をしていました。ギリギリで購入することができました。
生地に黒米が練りこまれているため、もちもちとした食感が特徴です。丁寧に目の前で焼いた焼き立てを販売しています。
黒米入りの生地を楽しむためか、餡は少なめです。甘さも甘すぎず丁度よく、すっかりお腹と気持ちを満たしてくれました。寒い時季に焼きたての温かさも嬉しいです。
本家玉屋
所在地:福島県南会津郡下郷町大字大内山本3
電話:0241-68-2946
大内宿所在地:福島県南会津郡下郷町大字大内
普段着のまま散策しても楽しいですが、和服だとタイムトリップ感がさらに増してもっと旅を楽しめるような気がします。