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「燕三条の魅力で新潟を熱狂させ、皆を幸せに」というコンセプトを掲げるレストラン、「燕三条bit」。銀座や新潟市にもお店がありますが、3月末に燕三条の本店がリニューアルオープンしました。
地元・燕三条の工房で作られた金属や木製製品の展示、プロジェクションマッピングなど、さらなる「燕三条の魅力」発信も期待されるお店です。
今回は、リニューアル後の「燕三条イタリアンBit 燕三条本店」へ伺ってきましたので、レポートいたします!
食事とカトラリーを通して燕三条の産業を体感する
予約時間にドアを開けると鮮やかな黄色いワンピースに華やかな笑顔が美しいコンシェルジュの女性が迎えてくれました。
中に入ると、高級スーパーかと見まがうような、色とりどりの新鮮野菜が置かれたブースがあり、レストランで使う野菜などが販売されています。
反対側の壁には、燕三条で作られた銀製品などが展示されたスペースがあります。
コンシェルジュに案内され、ホールへ。

地域の産業と農業がマップになった「ランチョンマット」を見ながら料理を待ちます。
フォークとナイフで隠れていますが、ランチョンマットには「革新の街 燕三条 伝統とは革新の連続」という、「玉川堂(ぎょくせんどう)」七代目の玉川基行氏のメッセージが記されています。
1816年創業の「玉川堂」は、鎚起(ついき)銅器の製造を行っており、その技術は文化庁の選択無形文化財、新潟県の無形文化財にも指定されています。
国内外で高い評価を受けている「玉川堂」の銅製品は、職人が何回も銅を叩いて製作するため、機械によって生産されたものとは一線を画します。使い始めてから色あせていく銅とは違い、時を刻むごとに色合いが深まり、ツヤや味わいを増していくのです。
「燕三条の魅力」を発信する「燕三条イタリアンbit」だからこそ、こんな素敵な無形文化財との出会いもあるのだと、しょっぱなから感動です。
どうしても欲しい、ずっと憧れている「玉川堂」さんの食器があるのですが、私にはまだ手が出ない価格のため、使うことができませんでした。
ですが、そんな憧れの「玉川堂」の製品を使って食べられるという、「玉川堂」の名がついた夢のようなランチコースがあるということで、迷わずチョイスしました。

ランチメニューは、他にも本日のパスタ(1200円/スープorサラダ・ドルチェ・ドリンク付き)というリーズナブルなものから、シェフのおすすめコース(4800円)まで各種取り揃えています。
地産料理を伝統の金属加工製品で頂く「玉川堂コース」

燕三条の食材を使った厳選料理を、燕三条最高峰の金属加工製品で頂けるという「玉川堂コース」。
こちらのコースは、席についたときに置かれていたランチョンマットではなく、特別に作られた銅製のランチョンマットが敷かれます。カトラリーも入れ替えられ、特別なものが用意されました。
山崎金属工業の「瑞音(ずいおん)」というカトラリーは、「伊勢神宮」の式年遷宮を記念して作られたもので、2013年に「内宮神楽殿」と「外宮神楽殿」に一式を奉納されたものだそうです。箸は「マルナオ」のもの。

ピッチャーは、三条発のアウトドアブランド「スノーピーク」のものです。

ちなみに店内を彩るシャンデリアは、金属製品の廃材で作られた「ブランキングアート」。
「ブランキングアート」とは、製造工程で排出される事業排出物を用いて、新しい作品に生まれ変わらせるアート作品のことで、燕三条が地域内外へと発信する取り組みの一つです。
「玉川堂コース」の料理&カトラリー紹介
【1】サラダ

燕三条周辺のミネラル豊富な土壌で作られたイタリア野菜サラダに、エスプーマを添えて。
大きめにカットされた野菜は、手なじみのよい「マルナオ」の箸で頂きました。酸味と香りの高いドレッシングで食欲も増進します。
【2】スープ

そらまめのスープ。
はじける笑顔の若い男性スタッフが、「スープの上には、大きなチーズをエスプーマしたものが乗っています。左右の黒い粒は生のブラックペッパーで、そんなに刺激は強くなく、とてもよい香りがします。お召し上がりください」と、詳細に料理の説明をしてくれました。
旬のそら豆に濃厚なチーズを軽やかに泡立て、生のブラックペッパーが添えられたスープは、香りと触感が交差する一品。
【3】リゾット

温められたお皿の中央に盛られた、ホタルイカのリゾット。
米どころ新潟ならではの美味しいお米に、旬のホタルイカのわたの旨味が溶け込み、滋味深い味わい。すくってもすくっても出てくるホタルイカに顔がほころびます。
【4】お肉またはお魚

メインは肉料理を選びました。
新潟ブランド豚「純白のビアンカ」。新潟ブランドとして人気の「安田ヨーグルト」のホエーを飼料として与えた、栄養価も高く白身の美しい肉を骨付きでいただきます。
この厚さ、しっとりとした肉の質感と旨味が香りの強いジェノベーゼに負けてない。新玉ねぎをまるまる一つグリルしたものもとても甘くてジューシー。
カトラリーは、切れ味するどい「マルナオ」の「脇差(ナイフ・フォーク)」を使用します。
店内の展示スぺースでも販売していますが、このナイフとフォークは1セット4万円(税抜き)です。

同行者は魚料理をチョイス。
魚料理には、「山崎金属工業」のフィッシュナイフとフィッシュフォークを使います。
「山崎金属工業」も燕市で1918年に誕生した歴史ある企業で、現在は世界中の一流ホテルやレストランから大きな支持を受けています。
そして、「ノーベル賞創設90周年」を迎えた年の晩餐会では、「山崎金属工業」のカトラリーが並びました。「燕市から世界へ」を見事に体現されています。
【5】パスタ

パスタは、ランチメニューから好きなパスタを選べます。
この日は、「有田焼」の器でいただくアマトリチャーナをチョイスしました。
【6】デザート

この時点でお腹がいっぱいで、もはやデザートまで食べられない!と思ったのも束の間。美しいコバルトブルーのお皿に盛りつけられた、スイーツはまるでアート。
とろ~り、サクサク、しっとり、ジューシー。食感の異なるスイーツの盛り合わせは、あっという間に平らげてしまいました。
【7】ドリンク

スタッフの方に「ドリンクはお決まりですか?おすすめは、あちらのマシーンで作るエスプレッソとなります」と、マシーンを示して笑顔で提案してくださいました。
こちらのレストランは、スタッフが若くて爽やかで、お店や燕三条が好きで仕方がない!といった気持ちが溢れ出ているのが伝わってくる笑顔で接客してくださいます。
エスプレッソの味はもちろん、「マルナオ」のエスプレッソカップ&ソーサー(黒檀)がさらに気持ちを高揚させてくれます。
5Dのプロジェクションマッピング搭載!

とびっきりの笑顔でサービスをしてくれた女性スタッフの案内で、「マッピングルーム」へ。
こちらは、5Dのプロジェクションマッピングが搭載されている、燕三条の産業を学びながら食事ができる特別なお部屋だそう。
通常は夕食時のみ利用できるお部屋で、10名までの貸切対応もできるのだそうです。料理や内容はレストランに直接お問い合わせください。
【燕三条イタリアンBit 燕三条本店】
住所 | 新潟県三条市須頃1-17(燕三条地場産業振興センター1階) |
電話番号 | 050-3466-6955 |
営業時間 | 【ランチ】11:30~15:00(L.O14:30) 【ディナー】日~木曜18:00~23:00(L.O22:00)、金・土・祝前日18:00~24:00(L.O23:00) |
定休日 | 水曜(5/1は営業します) |
アクセス | 【電車】JR「燕三条駅」より徒歩約7分 【車】北陸自動車道「三条燕IC」より約3分 |
駐車場 | あり |
URL | https://bit-tsubamesanjo.gorp.jp/ |
若さ溢れるおもてなしと、歴史ある燕三条の産業、豊かな土地で育まれた野菜や選ばれた食材で作られるイタリアン。気負わず、楽しく新潟の文化を感じられるおすすめのお店です。
ディナーは、ワインや日本酒とのマリアージュを楽しめるコースもあるようですので、ゆっくりと燕三条の夜をお過ごしください。