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城崎在住 漫画家ひうらさとるの行きつけスポット

城崎在住 漫画家ひうらさとるの行きつけスポット

流行語大賞にもノミネートされた「干物女」という言葉を生み出し、綾瀬はるか主演でドラマ・映画化もされた漫画『ホタルノヒカリ』。その原作者であるひうらさとるさんは、東京から移住し、兵庫県豊岡市の城崎温泉でご主人と小学生の娘さんと3人で暮らしています。

ご主人の田口さんにも行きつけのスポットに同行してもらいながら、「最高!」と語る城崎温泉での暮らしや魅力について伺いました。

ひうら家の食卓!?「OFF.KINOSAKI」

待ち合わせたのは「城崎温泉駅」から徒歩10分ほど、城崎温泉のメインストリートから少し奥に入った隠れ家的な場所にある「OFF.KINOSAKI」。無農薬野菜、但馬牛など地元の食材にこだわったひうらさんお気に入りのカフェ&ビストロです。

「オープンからまだ1年ほどしか経っていませんが、我が家の食卓と言っても過言ではないくらい通っています(笑)

朝はコーヒー、お昼にはサンドイッチを食べることが多いですね。夜はワインとお魚を出してもらったりしています。娘はここの手づくりケーキが大好きで、よく買いに行かされるんですよ」

スタッフの谷垣さんと親しげに話す様子を見ると、“ひうら家の食卓”の言葉に偽りはなさそうです(笑)。

コーヒーにもこだわっているこちらのお店。ダブルのラテをいただきながら、城崎で暮らすことになった経緯を聞いてみました。

「もともと東京に住んでいたんですが、2011年の震災を機に夫の地元である豊岡市に移住しました。最初は城崎ではなく神鍋(かんなべ)という別荘地に住んでいて、夫の城崎国際アートセンター館長就任を機に2015年に城崎温泉に引っ越してきたんです。

神鍋にいたときから漫画もデジタルで描けるようになっていたし、引っ越す頃には夫の仕事を通じてできた友達もたくさんいたので、城崎に来ることにそんなに抵抗はありませんでした」

城崎に来て約4年、暮らしていて感じる「城崎の魅力」とはどんなところでしょうか?

「“城崎は街自体がひとつの旅館”とよく言うのですが、外湯をはしごしてご飯もはしごしてスナックもはしごしてと、街の中だけで遊ぶことができるんです。しかも街がコンパクトだから浴衣と下駄で楽しめるんですよね。浴衣に下駄でカラカラそぞろ歩けるところってなかなかないと思いますよ。

歩いているだけで絵になる、映画のセットみたいな景観も素敵! 城崎はハレの日に来る場所なので、街に笑顔の人が多いのもすごくいいです」

田口さんがこそっと「僕たちはお酒好きなのですが、妻は『観光客に紛れて昼間からお酒が飲めて最高!』と言ってました(笑)」と最後に教えてくれました。

この日はここで解散。こんなお洒落なお店があることや、お酒好きにはたまらないという城崎の意外な(⁉)魅力を知ることができました。

お洒落な城崎土産が揃う「こぢんまり」

翌日、伺ったのは城崎温泉のメインストリート「柳通り」沿いにある「こぢんまり」。客室4部屋の“こぢんまり”としたお宿のフロントだった部分を改装して、2015年にオープンしたお土産屋さんです。

洗練された日本の工芸品を販売する「中川政七商店」とパートナーシップを組んでオリジナル商品も開発しているこちらのお店。ここにしかない城崎ならではの商品を買うことができます。

「東京に行くときとかにコウノトリの刺繍が入ったグッズをよくお土産に持っていきます。新婚カップルへのプレゼントにもいいんですよね」

こちらがひうらさんイチオシ、こぢんまりオリジナルのコウノトリの刺繍グッズ。ポーチや靴下にコウノトリの刺繍がワンポイントで入っています。特に赤いポーチは若い女性に人気だそう(筆者もひとめぼれしてポーチを3つ購入しました)。

「豊岡市は野生のコウノトリを復活させたことで有名なのですが、それをモチーフにしたグッズがなくて。友人にも年代的に子供が欲しい夫婦や女の子がいるから、あれば絶対にウケると思っていました(笑)。

そしたらこぢんまりさんから『新しいグッズのモチーフをカニにするかコウノトリにするかで悩んでいる』と相談されて。カニはもうたくさんあるし、鳥の方がモチーフとしてもかわいいのでコウノトリを推しました」

和気あいあいとお話しする店主の古島さんとひうらさん。すっかり城崎に溶け込んでいます。

旬の地物を地元価格で堪能できる「とみや」

最後にご紹介いただいたのは松葉ガニをはじめとしたお魚や但馬牛などの地物を堪能できる居酒屋「美食遊楽 とみや」。

「とみやさんも城崎に越してくる前から来ていました。いっつも外に美味しそうなメニューが張り出されていて……初めは憧れのお店でした。地元の方にも人気なんですよ。

今は週に1回くらいの頻度で、『ご飯食べに行くか~』という感じで気軽に来ていますね。ほぼ毎日外湯を利用しているのですが、お風呂バッグを持って温泉に入って、家に帰らずそのまま。

娘はごはんを食べてからお風呂に入りたい派で、ごはんを食べたらぴゅーって出て行って友達と温泉に行って、またここに帰ってきます。でも私たちはまだだらだら飲んでいるっていうことが多いかな(笑)」

城崎は小さな街なのでみんな誰がどこの子か分かっていて、観光客も含め監視の目が多いそう。そのため外湯くらいだったら夜でも子どもだけで行けちゃうんだとか。

この日注文したのは、取材時ちょうど旬だった縁起物の海藻・神葉(じんば)とヨコワなどの鮮魚のお造り、そしてひうらさんの大好物のするめの天ぷら。今回は注文しませんでしたが但馬牛のメンチカツもよく頼むとか。

「夫が城崎国際アートセンターの館長就任を打診されたとき、『引き受けるなら城崎に住む必要がある』と私にすぐ相談してくれたんです。その時に、とみやでビール飲んでするめの天ぷら食べて温泉入って歩いて帰ってこれるの……!?最高じゃん!と思って(笑)。『やりなよ!』と即答しました。私が城崎に来たのはとみやがあったからと言っても過言ではありませんね(笑)。思った通り最高の暮らしができています」

こちらが城崎に引っ越す決め手となったするめの天ぷら。とにかくビールに合います!

「城崎は観光客だけでなく地元の人の方も向いて商売をしています。なのでごはんの価格が良心的だし、食材が豊富な土地だから美味しいんです。それも大きな魅力のひとつですね」

家族みんなで城崎の暮らしを満喫している様子が伺えました。

外湯にカフェ…その他の行きつけ

今回の取材では行くことができませんでしたが、他にもひうらさん行きつけのスポットを教えていただいたのでご紹介します!

「御所の湯」

「とみや」から徒歩1分の場所にある外湯。大きな檜風呂も露天の岩風呂も解放感たっぷり。城崎に7つある外湯のなかでも人気が高く、週末は時間帯によっては順番待ちの列ができることもあるんだとか。「温泉はやっぱりいいですね」とほぼ毎日外湯を利用するひうらさんですが、そのほとんどがこの「御所の湯」だそう。

「をり鶴」

「東京だと多分3万円くらいするレベルのお寿司がリーズナブルに食べられます。でも“街のお寿司屋さん”なので居酒屋のように気軽に行けるのが魅力ですね」とひうらさんが語るこちらのお店。代替わりの前は必ず有名店で修業するという城崎で3代続く寿司の名店で、日本海の海の幸や但馬の山の幸を堪能できます。

「Kinosaki TOKIWA GARDEN」

画像提供:Kinosaki TOKIWA GARDEN

ひうらさんがネームを描くときによく行くのがこちらのカフェ。ディナータイムは地元のお肉やお魚でBBQができる、若い観光客を中心に人気のスポットです。「私を知らない観光客の方が多いのでよく紛れ込んでいます(笑)。席もいろいろあるので飽きなくていいですね」

「西村屋ホテル招月庭 さんぽう」

画像提供:西村屋ホテル 招月庭

「西村屋ホテル招月庭」内にある、特産品や伝統工芸品などをそろえるセレクトショップ。オリジナルのお菓子や食品などもあり、手土産を買うのによく利用するんだそう。2019年4月3日には、和食レストランなどを併設した路面店「さんぽう西村屋 本店」がオープンしました。

浴衣で外湯巡りができたり、お洒落な隠れ家カフェがあったり、センスのいい土産物があったり、観光地でありながら美味しい海の幸山の幸が地元価格で食べられたり……。ひうらさんの行きつけのスポットを通して、さまざまな城崎温泉の魅力を知ることができました。

今回紹介したスポットは「プライベートでまた絶対に来たい!」と思うお店ばかり。城崎温泉を訪れる際はぜひ立ち寄ってみてください。

【取材協力】

OFF.KINOSAKI  https://ja-jp.facebook.com/pages/category/Restaurant/OFF-Kinosaki-788755971332411/

こぢんまり http://www.kojinmari.com/new/

美食遊楽 とみや http://www.kinosaki-spa.gr.jp/shop/restaurant/173.html

御所の湯 http://www.kinosaki-spa.gr.jp/information/yumeguri/4.html

をり鶴 http://www.kinosaki-spa.gr.jp/shop/restaurant/145.html

Kinosaki TOKIWA GARDEN  https://tokiwagarden.com/

さんぽう西村屋 本店 http://www.sanpou-nishimuraya.com/

Photo/井垣真紀(イガキフォトスタジオ)

「街の魅力がすべて詰まった8本の記事で作った城崎特集」はこちら

YUKOTABI 編集部
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