観光とは、そもそも「光」を「観る」ことなり。
観るとは、単に目で見るだけではなく五感で感じること。物ごとの本質を見透すことだ。古くから人々は、なんのために光を観ようと各地へ出かけたのだろうか。宗教的なものを求めた方々も多いと思うが、ズバリ、幸せになるためではなかろうか。
まだ見ぬ景色に感動し、
各地の美味いものを食べ、
古き歴史にしみじみし、
湯に浸かって疲れを癒す…
観光とは幸せになるためにある。観光すること、旅することは、すなわち開運法ともいえる。
これからの連載は「開運旅行」として、全国各地を紹介していきます。
こんにちは。ワタクシは旅行作家として国内外を回るとともに、35年以上、気の研究と実践を行なっています。それは、おいおい紹介していくとして…。
お金に困らなくなる?東北の霊島・金華山

金華山 黄金山神社とは、名前も福々しい
第一回目は、「3年続けて参ると一生お金に困らない」と言われる金華山 黄金山神社。これは、金華山黄金山神社の神さまが、おっしゃっている言葉で、正式には、
「3年続けて参ると一生お金に困らせますまい」。
つまり、神さまが我々に向かって金運を保証してくれているのです。全国広しといえど、これだけ、豪語?しているところはまずありません。勘ぐってお参りさせるためのキャッチコピーとしても秀逸です。
とある宝くじ雑誌の編集長が、読者からのはがきの束を持って、この神社でお祓いと祈祷をしてもらっている姿をNHKの放送で見たこともあります。
さて、この金華山。
山とは言いますが、宮城県石巻市の牡鹿半島沖の孤島。まぁ、海上に突き出た山とも言えます。
周囲26km、標高445m。
あまり知られていませんが、東北三大霊場のひとつです(出羽三山・恐山・金華山)。島一つ、丸まま聖地で、「聖島」とも呼ばれます。


迫力ある大黒像と恵比須像。大黒祭や恵比須祭も見逃せない
祭神は鉱山の神である金山毘古神(かなやまひこのかみ)、金山毘売神(かなやまひめのかみ)。
日本五大弁財天の1つもおられるし(他は竹生島神社、江島神社、厳島神社、天河神社)、恵比寿、大黒などなど多くの神さま、仏さまが祀られています。

島の頂上に鎮座する弁財天の遥拝所
明治の神仏分離令の前は、修験道が盛んな地でありました。おすすめは、1泊2日の参籠(おこもり、宿泊)。神社に併設されている参集殿に宿泊して、朝のご祈祷に参列するといいです。
海を一望する大浴場で、身を清める(潔斎)とめちゃめちゃ気持ちいい。このお風呂で、ご一緒した仙台のとある会社の社長さん。
「社長さん、金華山というと、お参りするとお金に困らないと有名ですが、ご利益ありました?」
すると、社長さん。にんまりえびす顔になり、
「もちろん、もちろん。今回は、御礼参りです」。
夜はなかなか立派な御膳が出て、神職の方々が酒を注いでくださり、神社の歴史や土地の話も色々と伺えます。
土地のものをいただくということは、その土地のパワーをいただくことでもあります。ちなみに、お風呂も食事も使用するのは、霊山・金華山の水です。


歴史を感じる神殿の朝のご祈祷はおごそかな気分に
朝のご祈祷も(不謹慎ながら)楽しい。大護摩祈祷は、9世紀初期の平安の世から綿々と千年に渡り受け継がれています。金華山独自の修法だそうです。
特にワタクシが、「金のシャラシャラ」と呼んでいる、金幣。神具のひとつで、お祓いをしたり神様のパワーを与えてくれるものです。この神具をシャラシャラ鳴らしながら、神職の方が参拝者の間を歩いて回る。その時は、まるで金粉が天上から降り注いでくるような感覚になります。
アクセスはちと悪いですが、その分、異界にきた雰囲気が味わえる金華山。ぜひ、足を運んでみてほしい。

金華山には鹿が多く生息。10月には神鹿角切行事が行われる
鮨や牛たんもいいが、こちらの中華もおすすめ

金華山への起点は仙台。美味しいものがいっぱいある街だが、仙台国際ホテルの『中国料理 翠林』はどうでしょうか。

産地でもあるフカヒレや魚介はもちろん地元の素材を活かした優雅な味が人気。ホテルなので、サービスも洗練されています。

このホテルの総支配人、野口さんは、学生時代から日本全国の食べ歩きが趣味。レストラン部門に注力していて業界でも話題です。
金華山黄金山神社所在地 宮城県石巻市鮎川浜金華山5番地
アクセス 鮎川港までJR石巻駅よりバスで約1時間30分 終点・鮎川下車
三陸自動車道石巻港ICから車で約1時間10分
*鮎川港より先のアクセスはこちら
中国料理 翠林所在地 宮城県仙台市青葉区中央4-6-1 仙台国際ホテル
アクセス JR仙台駅より徒歩5分 東北自動車道宮城ICより車で約15分
(2018年3月15日公開)
金華山へのアクセスに便利な仙台や石巻の宿情報はこちら