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およそ1400年余りの歴史をもち、道後・有馬とともに日本三古湯のひとつに数えられる南紀・白浜温泉。このあたりは万葉の頃から温泉地として栄え、多くの宮人が訪れた由緒正しい湯治場として今に伝えられています。今回はそんな白浜温泉の歴史と最新情報を、白浜観光協会の山田伸子さんの案内でご紹介していきましょう。
その起源は奈良時代以前から。今では年間300万人以上が訪れる

現在の白浜温泉の起源は、奈良時代以前より湯崎海岸に自然と湧き出し、白い煙をあげていた無色高温の「紀伊の温湯・牟婁の温湯」だと言われています。江戸時代初期から湯治場として発展し、紀州航路が開かれた明治20年頃から大正末期にかけて、湯崎七湯と呼ばれる外湯には多くの観光客が訪れたそうです。

紀の温湯、牟婁の温湯などと呼ばれ、斉明、天智、持統、文武天皇と多くの皇室の方々が訪れ、その後庶民に開かれるにあたって鉛山温泉・湯崎温泉の両方が合わさり「白浜温泉」になりました。大正末期から昭和初期にかけて、湯崎地区だけでなく町全体の開発が進み、白良浜を中心とした現在の白浜温泉街が生まれたのです。

今では年間300万人以上が訪れ、別府、熱海と並ぶ日本三大温泉観光地になった白浜温泉。「長い歴史だけでなく、最近はインバウンドの個人旅行客に向けて大きな変革の時期を迎えています」と教えてくださったのは、白浜観光協会の山田伸子さん。「定番の外湯や足湯だけでなく、湯上がりに楽しめるカフェやグルメスポットなど新名所も増えていますので、ご案内しますね」
万葉の昔から続く「崎の湯」

白浜といえば、豊かな泉質の温泉が一番の魅力。万葉の昔から続く「湯崎七湯」の中で唯一残っている湯壺「崎の湯」は、湯船と海がほぼ一体化していて、岩に打ち付ける波を感じながら入浴できる定番人気スポットです。
名称 | 崎の湯 |
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所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町湯崎1668 |
電話 | 0739-42-3016 |
営業時間 | 4月1日~6月30日・9月1日~9月30日は8:00~18:00 7月1日~8月31日は7:00~19:00 10月1日~3月31日は8:00~17:00 ※最終入場は終業時間の30分前まで |
休み | 無休(メンテナンスによる臨時休業あり。※要問合せ) |
ベーカリーカフェからインフィニティ足湯まで、リニューアルした「ホテルシーモア」は宿泊客以外も楽しめる!

この「崎の湯」をあがった場所にある、白浜を代表する「ホテルシーモア」がこのほど一大リニューアルをおこない、「SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE」に生まれ変わりました。

バブル期にはリゾートホテルとして一世を風靡したホテルシーモアが、時代の流れに合わせて原点回帰。単なるリゾートスポットではなく、地域のコミュニティスペースとして解放され、宿泊者だけでなく多くの人で賑わう場所になりました。



ベーカリーカフェや、ランチスポット、パノラミックな景色が素晴らしい足湯など、見どころ満載。「KEY TERRACE」のネーミングは、“紀伊の観光にスポットを当てて照らす”という隠れキーワードでコンセプトを表現しています。


女性に人気の「みかんシュークリーム」や、イタリア・カルピジャーニ社製の最高級マシンで作るソフトクリームなど、とにかくトピックスだらけ!

地元でも話題の「インフィニティ足湯」は目線の前に一面広がる広大な海が絶景!

夕暮れ時はカップルが等間隔で浸かる光景が日常的に。

「宿泊客でなくても無料で気軽に入れるので、私も大好きなんです」と山田さん。夕日と足湯で仕事の疲れも吹き飛びますね。
名称 | SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE |
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所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町1821 |
電話 | 0739-43-1000 |
URL | https://www.keyterrace.co.jp/ |
個性あふれる9カ所の足湯巡りもぜひ

「足湯といえば、白浜温泉には9カ所の足湯が点在しています。夏は水着のままで入れるここ、しらすな足湯が人気ですね」。山田さんも一番のお気に入りとか。
名称 | しらすな足湯 |
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所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町864 |
電話 | 0739-43-1126 |
営業時間 | 7月1日~8月31日は10:00~18:00 9月1日~6月30日は10:00~15:00 ※最終入場は終業時間の30分前まで |
休み | 月曜 (7/1~8/31は無休)※月曜が祝祭日の場合は翌日休業 |

円月島を眺めながら楽しめる御船足湯もオススメです。

円月島のビュースポットには多くの観光客がスマホと自撮り棒を持って訪れていました。
名称 | 御船足湯 |
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所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町743-5 |
電話 | 0739-43-5555 |
営業時間 | 8:00~22:00 ※午後10時に自動消灯します |
休み | 無休 |

白浜の名所としては定番の「三段壁洞窟」にも、足湯があることを知らない人が案外多いようです。

三段壁洞窟には日本最大級の青銅でできた辯才天が鎮座しています。

約1600万年前に地層に作られたリップル(漣痕)や、岩盤に下の空洞に海水が当たって吹き上がる潮吹き岩など、ここでしか見られない自然の雄大さに感動します。

平成25年12月にオープンした足湯は、180度の太平洋パノラマビューが楽しめます。

「少し陽が落ちてきた頃の眺めはサイコーですよ」と山田さん。「だいぶ足湯に浸かって喉も渇いてきたので、そろそろこのへんで白浜の地ビールでも味わいましょう」
名称 | 三段壁洞窟 |
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所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町三段 |
電話 | 0739-42-4495 |
営業時間 | 8:00~17:00 |
休み | 無休 |
URL | http://sandanbeki.com/ |
白浜の地ビール「ナギサビール」のダイニング&新工場見学

続いて山田さんに案内していただいたのは、白浜の地ビール・ナギサビール直営のダイニング「バーリィ」。

ランチ、ディナーともにシェフこだわりのメニューが並びます。なかでもビールに合う「シンドラーさん5種盛りセット」は、ドイツ人の元ブルワーであるシンドラーさんが手作りで仕上げた生ハムやソーセージ、ベーコンなどが堪能できる逸品。

樽出しのクラフトビールは格別の旨さ。サーバーから注がれる泡を見ているだけで喉が鳴ります!

ちなみにナギサビール新工場でも出来たてのクラフトビールを味わえます。それだけでなく、なんと工場見学もできちゃうんです。

仕込み用や熟成用など大きなタンクを見ると、なぜか気分が上がります。

この工場で作っている出来たてビールをいただけます!

限定醸造ビールなどここでしか買えないビールがあるので、お土産にもオススメです。
名称 | Barley |
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所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町2927-557 |
電話 | 0739-43-7373 |
営業時間 | 11:00~21:00 (ラストオーダー:20:30) |
休み | 水曜日 |
URL | http://www.nagisa.co.jp/barley.html |
名称 | ナギサビール新工場(工場見学) |
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所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町2927-220 |
電話 | 050-3820-895 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
休み | 水曜日 |
URL | http://www.nagisa.co.jp/kengaku.html |
話題の和スイーツ屋さんであんみつやかき氷はいかが?

ドライブ旅行でアルコールがNGな時は、話題のスイーツなんていかがでしょうか?ここ「&ン(アンド・ン)」は、昔ながらの町屋をリノベーションした和スイーツのお店です。

元々は芸者さんの置屋だった古い建物をいかした雰囲気のある店内。

季節のあんみつは、白玉や寒天、フルーツのコンポートなど全て手作り。手の込んだ繊細な味は、甘い物が苦手な人でもあっさりといただけます。

夏はかき氷も人気。こちらも手作りにこだわっています。
名称 | &ン(アンド・ン) |
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所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町新地1384-9 |
電話 | 0739-43-8333 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
休み | 日曜日・月曜日・祝日 |
URL | http://ando-n.jp/ |
定番土産の「かげろう」を「生」や「アイス」で

最後に「ココでしか買えない!」という人気のお土産をご紹介。昭和8年創業の福菱本店は、定番土産の「かげろう」や「はまゆう」「柚子もなか」が有名です。

こちらのお店はカフェ併設で、生菓子のイートインやランチが楽しめます。

カフェスペースの奥には海を眺めながら食事できるウッドデッキのテラス席も。

レギュラー商品の「かげろう」が日持ちをするように作られているのに対して、このお店でしか食べられない「生かげろう」は、生クリーム仕立てでリッチな美味しさ。旬のフルーツをあしらった期間限定レシピも登場するなど、地元でも人気のスイーツです。

また、白浜地区のコンビニ等でしか買えない「アイスかげろう」は、軽やかな口どけとふんわり冷たい新食感。「生かげろう」とともに、旅の帰りにテイクアウトするなら、その日のうちにどうぞ。
名称 | 福菱 Kagerou cafe |
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所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町1279-3 |
電話 | 0739-42-3129 |
営業時間 | 8:00~16:30(ラストオーダー) |
休み | 木曜日(祝日、GW、お盆、お正月等は営業) |
URL | http://www.fukubishi.co.jp/ |

いかがでしたか?新しい観光集客の要素を巧みに採り入れながら、歴史に育まれた豊かな泉源を持つ白浜は、夏は海水浴、冬は温泉と、四季を通じて人が集います。

関空からクルマで2時間圏内というアクセスの良さもあってインバウンドの個人旅行客が年々増加していますが、電車も特急くろしおに乗れば新大阪から2時間17分、話題のパンダくろしお号にも是非一度乗ってみたいですね!
白浜温泉についてさらに詳しくは「白浜観光協会」のホームページを。
(2018年7月26日公開)
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