歴史ある「増田の町並み」と「まんが美術館」を巡る秋田旅

江戸時代から商家の集まる町として栄えた秋田県横手市増田エリア。現在は商家建築や内蔵が数多く現存する歴史ある町並みや、昨年リニューアルオープンした「横手市増田まんが美術館」が楽しめます。伝統を感じながら、最新のマンガ文化にも触れられる、増田の魅力をご紹介します。

歴史ある町並みで「内蔵」巡り

秋田県南部の内陸に位置する増田地区では、平成25年（2013年）12月27日に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された歴史ある町並みをみることができます。

古くより物流の中心地としてにぎわいをみせた増田は、明治から昭和にかけて商業の町としてさらに発展し、財を成した商人たちは蔵付きの家を建てるようになりました。そのなかでも、増田の商人たちの繁栄ぶりを垣間見られるのが「内蔵（うちぐら）」です。

内蔵とは、狭い間口から奥に長く続く町屋づくりの母屋の背面に、建屋に覆われる形で設けられた蔵のこと。

商人たちは、築き上げた財力を示すように重厚な内蔵をつくりあげました。表通りからは想像できないような大きく立派な蔵が建物のなかにあります。増田地区には現在も48棟もの内蔵が残るそう。

増田の商店街「中七日町通り」沿いには、内蔵のある伝統的な家屋が建ち並びます。ひとくちに内蔵といっても意匠を凝らした装飾など見どころはさまざま。現在公開されている家屋のほとんどが400メートルほどの通りに集中して建っているので、見てまわりやすいのもうれしいポイントです。

ちなみに、内蔵を覆う建屋のことを「鞘（さや）建物」と呼びます。内蔵はお店と居住空間の奥につくられることが多く、隣人すら蔵の所在を知らないこともあったといいます。

気軽に立ち寄れる観光物産センター「蔵の駅」も、そんな鞘建物のひとつ。元々寝室だった内蔵の扉を開け放つと、蔵の座敷から中庭を望むことができます。さらに、市松模様の障子など、華やかな装飾にも注目です。

【一般社団法人増田町観光協会】

貴重な原画を数多く所蔵する「横手市増田まんが美術館」

内蔵巡りとあわせておすすめしたいのが、「中七日通り」から歩いて10分ほどの場所にある「横手市増田まんが美術館」。2年間の改修工事を経て2019年5月1日にリニューアルオープンした、全国で唯一「マンガ原画の収蔵」をテーマとした本格的な美術館です。

現時点で、日本最多179名、23万点以上もの原画を収蔵しており、名だたる有名作家の原画を間近に見ることができます。

直筆原画やデジタルデータ化された原画を鑑賞できるギャラリー「マンガの蔵」のほか、マンガ文化の歴史や原画アーカイブを学ぶことができる「マンガ文化展示室」、2万5000冊のマンガを読める「マンガライブラリー」など展示が充実しており、1日いても飽きません。

【横手市増田まんが美術館】

日帰り入浴は「横手駅前温泉　ゆうゆうプラザ」

内蔵とまんが美術館を楽しんだ後は、JR「横手駅」から徒歩3分ほどと立地のよい「ゆうゆうプラザ」で秋田の温泉も満喫してみませんか。

21時まで受け付けしている日帰り温泉施設。タオルの貸し出し（有料）もあるので気軽に立ち寄れます。

天然温泉100％の掛け流しの大浴場に、露天風呂やサウナもあり、地元の方にも人気の施設です。泉質は「ナトリウム塩化物泉」で、冷え性などにも効果があるといわれています。大浴場で、手足をのばしてゆっくり入浴し、疲れを癒やしましょう。

館内には、飲食ができるレストランや食事処もあります。ご飯類や麺類だけでなく、キッズメニューも揃っているので、お子様連れにもおすすめです。湯上りには冷たいビール！という方でもおつまみになる一品メニューがあるのでご安心を。秋田の地酒や、秋田名物稲庭うどんも美味しいですよ。

【横手駅前温泉 ゆうゆうプラザ】