重要なお知らせ
温泉に入れるお寺⁉ 奥日光「温泉寺」で入浴体験&写経体験

温泉に入れるお寺⁉ 奥日光「温泉寺」で入浴体験&写経体験

温泉に入れるお寺があるのをご存じですか?「日光山温泉寺(にっこうざんおんせんじ)」は全国でも珍しい温泉に入れるお寺。写経体験もでき、近くには「奥日光湯元温泉」の源泉が湧き出ています。温泉入浴、写経体験、源泉見学と魅力がたくさん詰まった「日光山温泉寺」をご紹介します。

「日光山温泉寺」とは?

「日光山温泉寺」は、世界遺産「日光山輪王寺」(にっこうざんりんのうじ)の別院です。

日光を開山した勝道上人(しょうどうしょうにん)が、788年(延暦7年)に温泉を発見し、病苦を救う薬師瑠璃光如来を祀ったのが始まりとされています。

温泉寺は昔、薬師堂という名前で別の場所にありましたが、1966年(昭和41年)9月、台風の土砂崩れで直径5mの大岩が落下して、薬師堂が潰れてしまいました。驚くことに如来像は、その落下した大岩の上に無傷で鎮座していたといいます。

その後地元の人々の願いにより、1973年(昭和48年)に、源泉に近い現在の場所に温泉寺として再建されました。

日光湯元温泉の名湯を堪能できる「薬師湯」

温泉寺の隣に建つ「庫裡(くり)」で日帰り入浴をすることができます。入浴希望の方は管理人の方に500円を納めてください。タオルの貸し出しはありませんのでご注意を。

浴室は男湯と女湯に分かれています。泉質は「含硫黄‐カルシウム・ナトリウム‐硫酸塩・炭酸水素塩泉」。源泉が71.4℃と高温のため、加水をしていますが完全かけ流しの温泉です。

湯上りはお茶とお菓子をいただきながら、休憩スペースでゆっくりすることができます。

【薬師湯 日帰り参篭】
●期間:4月下旬~11月下旬
●受付時間:8:00~17:00ごろ
●参篭時間:1時間
●志納金(入浴料):大人500円、4歳~小学生300円
●問い合わせ:0288-55-0013(日光山中禅寺)

温泉で体を清めた後は、「写経体験」で心も清める

温泉寺では写経体験もできます。薄墨で書かれた薬師経の一部である16字の経文「以我福徳威神力故 皆得解脱一切憂苦」の文字を筆ペンでなぞります。「薬師如来の偉大な福徳の力で 一切の憂い苦しみから逃れることができる」という意味があります。

「文字の上手い下手は関係ない、一文字一文字を仏様と思って、文字と向き合って心を込めて書いてください」とご住職。

緑に囲まれた自然のなかで、まずは気持ちを静め、呼吸を整え、ペンをとります。文字の止め払いが気になるなど邪心が湧きますが、ただただ書くことに没頭する体験は、瞑想のように心が落ち着いていきます。

納められた写経は、8月8日に行われる温泉寺薬師講「採灯大護摩供」にてお焚き上げされます。

【写経体験】
●開催日:温泉寺開湯期間中毎日 ※告知なく休止となる場合がございますのでお問い合わせください。10名様以上の場合は事前に中禅寺へご連絡ください。
●受付時間:9:00~15:00(所要時間は15分ほど)
●ご志納金:1人1,000円(写経用紙、特別御朱印、お焚き上げ含む)
●問い合わせ:0288-55-0013(日光山中禅寺)

日光湯元温泉の源泉を見学「湯の平湿原」

温泉寺のすぐ側、木道の架かる「湯の平(ゆのたいら)湿原」に日光湯元温泉の源泉があります。 日光湯元温泉は日本で4番目に濃い硫黄泉といわれているため、この辺りは強い硫黄の香りがします。

ここが源泉です。

湯船で浸かる時は乳白色ですが、湧き立ての温泉はこのように無色です。

酸素に触れることで成分が酸化し、白くなるのですね。

強い成分の温泉に硬貨を浸けるときれいになったり変色することがありますが、こちらはどうでしょうか?500円玉でやってみました。

右側が源泉に付けた部分。筆者はピカピカになると予想しましたが、このような結果に。日光湯元温泉のpH値は中性なので、500円玉は硫化銅になって錆びたように変色するとのこと。ちなみに同じ硫黄泉でも草津温泉は酸性のため、ピカピカになるそうです。

奥に見えるのは、くぎを使わない昔ながらの木組みの源泉小屋。源泉の温度を下げないために建てられたもので、各宿が所有しています。

奥日光湯元の温泉寺で名湯に浸かり、写経をして、源泉のある湯の平湿原を歩けば、お薬師様の「健康増進・延命長寿」のご利益を最大限いただくことができそうですね。

【温泉寺】

住所栃木県日光市湯元2559
電話番号0288-62-2531
アクセス東武・JR「日光駅」より東武バス乗車、「湯元温泉」下車徒歩5分
営業時間8:00~17:00
URLhttps://www.rinnoji.or.jp/temple/onsenji/