十和田・八幡平国立公園、乳頭山麓に点在する7つの宿を含むエリア「乳頭温泉郷」。
ブナの原生林に囲まれた自然豊かな温泉郷は、各宿に自家源泉を持ち、その泉質は温泉郷の中だけでも10種類以上あります。
なかでも最も古い「鶴の湯温泉」は、安政6年(1859年)に書かれた記録に、寛永15年(1638年)に秋田藩2代目藩主・佐竹義隆が湯治に訪れた、と残っています。
そんな歴史ある「鶴の湯温泉」をご紹介します。
「鶴の湯温泉」の代名詞、情緒を醸し出す「茅葺き屋根」

写真提供:ピクスタ
東北の秘湯として人気の宿「鶴の湯温泉」は、「乳頭山」(1478m)の麓、原生林に囲まれた自然豊かな山間にポツンと佇みます。その雰囲気は、まるでタイムスリップしたかのよう。

写真提供:ピクスタ
建物は、明治初期に建てられた「本陣」のほかに、「鶴の湯温泉」の中では新しい新本陣、東本陣、一号館、二号館、三号館とあります。
茅葺き屋根の「本陣」は、二代目秋田藩主・佐竹義隆公が湯治に訪れた際に警護の者が詰めた建物として、現在では「鶴の湯温泉」の代名詞となっています。

写真提供:ピクスタ
屋根の茅葺きは、数十年ごとに「葺き替え(ふきかえ)」という作業をしますが、「茅手(かやで)」といわれる職人が昔ながらの作業をして受け継がれ、守られています。
1つの敷地内に4本の源泉が湧く希少な温泉地「鶴の湯温泉」

温泉は、宿の施設半径50m以内に泉質の異なる4つの源泉が湧いています。それぞれ「白湯」「黒湯」「中の湯」「滝の湯」と源泉名がついていますが、同じ敷地から効能・泉質ともに異なる4つの温泉が湧く、とても珍しい温泉場です。
8つの浴場には、源泉名そのままに「白湯」「黒湯」「中の湯」「滝の湯」「内風呂(宿泊者のみ」、そして「大白の湯(女性専用)」が2か所、「混浴露天風呂(鶴の湯)」があります。
中でも人気なのが「混浴露天風呂の鶴の湯」。
こちらの露天風呂は面積が広く、温泉に入ると乳白色のお湯で体が見えない状態になり、夜は秘湯ムードがさらに高まります。

写真提供:ピクスタ
また、混浴が苦手な女性には、女性専用の露天風呂もあるので、四季折々の景観を楽しみながら楽しむことができます。

宿泊の時間がない方には、日帰り入浴もおすすめです。ブナ林の原生林に囲まれた露天風呂は、自然豊かでのんびりできます。
また、食堂やコーヒーなどを頂ける「鶴の茶屋」もあり、タイムスリップした風景の中、湯巡りだけでなく、美味しい食事やカフェタイムを味わえるのも魅力のひとつです。
囲炉裏を囲んで地元食材を堪能

ランプが灯る「本陣」での夕食は、客室内の囲炉裏で雰囲気を楽しみながら、地元食材をメインとしたお料理をいただけます。
また、「本陣」での滞在もおすすめですが、ほかのお部屋もまた違った趣が楽しめるので、予算やお好みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか?

「本陣」の軒先には、昔ながらの保存食などがぶら下がっており、季節によって変わりますので、ここも見逃せない撮影ポイントになっております。
ちなみに写真の四角い短冊型のものは「干し餅」といい、昔から伝わる伝統食。藁で四角く切った餅を軒先にぶら下げて干します。ボソっとした食感で、素朴な味わいが人気です。
また、干し餅を揚げた「揚げ干し餅」は塩が少し効いていて、美味しい地元のおやつです。秋田空港、秋田駅などのお土産店や地元のスーパーなどに置いていますので、ぜひ一度味わってみてください。
住所 | 秋田県仙北市田沢湖先達沢国有林50 |
電話番号 | 0187-46-2139(受付時間7:00~22:00) |
営業時間 | 【日帰り入浴】10:00~15:00 |
定休日 | 【日帰り入浴】月曜(露天風呂不可) |
料金 | 【日帰り入浴】大人600円、小人300円 |
アクセス | 【電車】JR田沢湖線「田沢湖駅」より約35分、「アルパこまくさ」下車、バス停より送迎(事前に到着時間を連絡) 【車】東北自動車道「盛岡IC」より約1時間 |
駐車場 | あり(無料) |
URL | http://www.tsurunoyu.com/FONDMENT/t-annai.html |