港町風情が残る、広島県福山市にある鞆の浦。その魅力はノスタルジックな町並みだけではありません。鞆の浦から連絡船・平成いろは丸で約5分の「仙酔島(せんすいじま)」は太古の自然が残る無人島。穏やかな瀬戸内海に浮かぶ周囲約6kmの小さな島で、非日常感たっぷりの時間が過ごせます。
仙酔島ってどんなところ?

鞆港の約500m沖、お堂が建つ弁天島の後ろに見える島が仙酔島です。ここは最初の国立公園である「瀬戸内海国立公園」の中心に位置し、国立公園記念切手にもなった由緒ある島。“仙人が酔うほどに美しい”ことからその名がついたといわれ、江戸時代の学者・頼山陽はこの美しさを「山紫水明(さんしすいめい)」と表現しました。
周囲約6km、中央には公益財団法人日本離島センターが選定する「日本しま山100選」にも選ばれている標高約159mの大弥山がある島内には、海岸線や山の小径を歩くハイキングコースが整備されています。ほかにも無人島でありながら、宿泊施設やラジウム含有量が豊富な温泉、キャンプ場、海水浴場などがあり、シーズン中はレジャーを楽しむ人で賑わいます。
自然を満喫!仙酔島の楽しみ方
港から約5分で行ける無人島のため、手軽に非日常を味わえたり、自然を満喫できるのが仙酔島の魅力。仙酔島の楽しみ方の一例を紹介します。
4つのコースを選べる「ハイキング」

海岸線を歩いたり、森林浴を楽しんだりできる4つのハイキングコースがあります。
・御膳山コース(1周約600m・約20分)…見どころは瀬戸内海の景観が見事な御膳山展望台。
・仙人ヶ丘コース(1周約700m・約30分)…仙人ヶ丘は夕日のビュースポット。
・鳥ノ口展望台コース(1周約2.7km・約1時間)…海食洞が見られる海岸線のコース。
・弥山稜線コース(1周約3.5km・約1時間30分)…森林浴しながらのトレッキング。

島のほとんどは火山活動によって形成された流紋岩質凝灰岩からできています。

渡船場がある島の西端から南の海岸線をなぞるように歩く烏ノ口展望台コースのスタート直後には、小さな断層トンネルも。
右手にキラキラと輝く海、左手に荒々しい断層を見ながら進むと、タコ釣りをする人に出会ったり、歩道を横切る小さなカニを見つけたり…。海岸線の遊歩道の各所には断層についての解説板もあり、地球の変動を知ることができます。
自然の力を感じる「五色岩」

渡船場から徒歩約20分、烏ノ口展望台コースの途中にある「五色岩(ごしきいわ)」は、仙酔島きってのパワースポット。赤、青、黄、白、黒の5色の岩が約200mにわたって連なる場所は世界でも珍しく、日本で見られるのはここだけなんです。
穏やかな海を満喫「海水浴」

渡船場から徒歩5分、国民宿舎 仙酔島の前に広がる「田の浦」。7月中旬~8月中旬は鞆の浦海水浴場として賑わいますが、オフシーズンはプライベートビーチのように静か。美しい砂浜に穏やかな海、目の前に皇后島を見ながら、のんびり過ごせます。宿泊して、日本の夕陽百選に選ばれた美しい夕焼けを見るのも素敵。
海援隊の船を模した連絡船「平成いろは丸」

鞆の浦から仙酔島へは、「平成いろは丸」というフェリーに乗って渡ります。日中は1時間に3本ペースで運行し、乗船時間はわずか5分。

坂本龍馬率いる海援隊が乗った蒸気船・いろは丸を模した「平成いろは丸」。全長約22m、19tという規模は、龍馬が乗った船の約4割の大きさということですが、漆黒に輝く船体は存在感抜群です。

定員は99名。木目調の落ち着いた船内には、旧式のコンパスや操舵輪、いろは丸事件の紹介パネルが展示されています。

デッキで風を浴びながらぐんぐんと近づく仙酔島を見ていると、あっという間に到着。
●営業時間:鞆の浦始発7:10~仙酔島終発21:35(1時間に3本ペースで運行)
●定休日:無休
●料金:往復大人240円、こども120円
●電話番号:084-982-2115
【ゆこゆこ限定クーポン】「平成いろは丸」往復乗船無料
市営渡船場にてこちらのクーポン画面を表示、もしくは印刷したものをお渡しください
※有効期限:2020年3月31日(火)
※クーポン1枚で1グループに適用
※お1人様1回限り使用可能
※天候等により営業時間・休日は急遽変更となる場合があります
いろは丸事件に興味が湧いたら「いろは丸展示館」へ

いろは丸と紀州藩の軍艦が衝突したいろは丸事件についてもっと知りたいなら、常夜燈のすぐそばにある「いろは丸展示館」へ。

江戸時代末期に建てられた土蔵を利用して、いろは丸事件に関する資料を数多く紹介しています。

館内では沈没・海底発掘調査を再現したジオラマや、引き揚げられた遺品を展示。いろは丸と紀州藩の明光丸のどちらに非があるかという真相解明に知的好奇心がくすぐられるはず。
●営業時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
●定休日:年末年始
●料金:入館料小学生以上200円
●電話番号:084-982-1681
●URL:http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/sights-spots/95148.html
龍馬ファンなら桝屋清右衛門宅(ますやせいえもんたく)を鞆の浦観光に組み込むのもおすすめ。天井裏に龍馬が寝泊まりしていたといわれる隠れ部屋があり、一般公開されています。
写真撮影/浦田真行
取材・執筆/伊藤あゆ
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