目次
「お伊勢さん」との愛称で親しまれる伊勢神宮。実はこの伊勢神宮、正式には「神宮」と言い、天照大御神をお祀りする内宮(ないくう)と、豊受大御神をお祀りする外宮(げくう)、そしてさらに14所の別宮と43所の摂社、24所の末社、42所の所管社からなるこれら125の宮社すべてを総称して神宮と呼ばれます。
地元伊勢っ子に慕われる「お伊勢さん」の門前町を歩いてみましょう。
お伊勢参りの正しい作法。お参りは外宮から

伊勢市駅から外宮へと続く外宮参道
伊勢の玄関口であるJR・近鉄伊勢市駅から外宮まで続く外宮参道は、明治30年に山田駅(現伊勢市駅)が創設されると同時に外宮までの参道として賑わいを見せました。

伊勢でよく目にするしめ縄飾り。書かれているのは「蘇民将来子孫家門」。伊勢では古くから邪気退散と一家の子孫繁栄を願って一年中玄関先に飾られます
かつては伊勢の街の中心部だった参道商店街も、一時期活気を失っていましたが、5年前の第62回式年遷宮を機に多くの店舗が新たに加わり最近は賑わいを取り戻しています。食を司る神さまでもある豊受大御神のお膝元ということもあり、海鮮などを提供する地元人気店やテイクアウトのお店も充実していています。
食の神様のお膝元らしい刃物専門店
そんな食を司る神様のお膝元らしく、飲食店の他にも食には欠かせない刃物を扱う専門店があります。明治40年創業の「伊勢 菊一」さん。外宮の門前町で110年変わらず包丁をはじめとする生活用刃物を取りそろえる店として全国からお越しになる参拝客をお迎えしています。
最近では、日本の和食ブームにも乗って職人の技が光る一品を買い求める外国人観光客も足を運ぶようになりました。

包丁などの他にも、外宮のシンボルでもある勾玉池にちなんだ勾玉をあしらったデザインのオリジナル商品も人気です。

こちらは人気の『神話占合』。大きな切り株に刺さった矢を引いて、矢の先にあるひらがなの文字の占い札を受け取ります。古来日本の神話にまつわるメッセージが書かれています。
施設名称 伊勢 菊一
所在地 三重県伊勢市本町18-18
電話番号 0596-28-4933
料金 神話占合(しんわうらなひ)一回 百円
営業時間 9:00~17:00(年中無休)
おかげ参りの時代へタイムスリップ。お土産もグルメもそろうおはらい町へ
外宮を参拝したら内宮へ移動しましょう。外宮から内宮へは徒歩で50分ほど。時間に余裕のある方や、伊勢の街を散策したい方は歩くのも良いかもしれません。急ぐのであれば内宮へは近鉄電車を利用するほか、外宮前から内宮行きの路線バスも出ています。バスで約20分。10~15分おきに出ているので比較的便利です。

伊勢特有の切妻・入り母屋・妻入り様式の街並みが美しい「おはらい町」
参拝を済ませたら、「おはらい町」を散策してみましょう。内宮宇治橋から五十鈴川へと続くおよそ800mほどの街並みを「おはらい町」と言い、江戸時代に人々の人気を集めた「お伊勢参り」の玄関口としても栄えました。
なかでも60年に一度の「おかげ年」には200万から400万人もの人々が伊勢を訪れたというのですから驚きですね。そんな伊勢詣でを支えていたのが「御師」と呼ばれる人々。宿泊から観光案内までお伊勢参りの楽しさを伝える役目をになっていた、今で言う観光大使のような存在でした。だからこそ今でも伊勢の地には「おもてなし」の文化が残っているのでしょう。
おはらい町の中心部にある「おかげ横丁」には人気店が揃う
赤福本店から少し入った横丁は「おかげ横丁」と呼ばれ、約4,000坪の敷地に伊勢名物のグルメやお土産を楽しめる人気店がそろうスポットです。

「おかげ横丁」の入り口はこの常夜灯が目印。

およそ60店あまりの店が軒を連ねる「おかげ横丁」

横丁グルメで定番の『豚捨』の牛肉コロッケ。1個100円
食べ歩きやたくさん歩いて空いた小腹を満たすのにぴったり。また、伊勢志摩のお土産を扱うお店も揃っています。

おかげ横丁では季節に合わせた催事も開催される。写真は昨年の七夕の節句の様子
おかげ横丁では季節折々の催事も行われているので、でかける時期に合わせてチェックしてみてくださいね。
施設名称 おかげ横丁
所在地 三重県伊勢市宇治中之切町52番地
電話番号 0596-23-8838(おかげ横丁 総合案内所)
営業時間 年中無休
3月~7月・10月は、9時30分~17時30分(4~7月の土・日・祝は~18時)
8・9月は、9時30分~18時
11月~2月は、9時30分~17時(2月の土・日・祝は~17時30分)
もう一つのお伊勢参り。月に一度の『朔日参り』
さて、何度も伊勢参りをされているならこんな楽しみ方はいかがでしょうか?伊勢神宮内宮・外宮では月に一度1日に『朔日参り』が行われます。古来「朔日参り」とは、無事に過ごせた1ヶ月に感謝し、新しい月の無事や無病息災を祈念する風習です。

1日朝8時。神馬が正宮にお参りする「神馬見参」に出会うことも
この日は門前町のおはらい町やおかげ横丁では早朝から店を開き参拝客をもてなします。
中でも有名なのが、1日限定で振舞われる「朔日粥」。各店舗が季節に合わせて提供するお粥が人気で、早朝とは思えないほどの人出で賑わいます。場合によっては1時間以上並ぶこともあります。

すし久をはじめとする「おかげ横丁」の数店舗で1日限定の朔日粥がいただける
そして、赤福が月替わりで販売する「朔日餅」も朔日参りならではのプレミアム。このお餅を買い求める様子は伊勢の風物詩にもなっています。

開店とともに朔日餅を買い求める人々の列
毎月月末の晦日夕方、赤福本店には朔日餅を買う人々の列ができます。17時から列整理券の受付がはじまり、翌朝3時半に列整理券の引き換えが行われ、大変な賑わいです。
そして4時45分、店の戸が開き販売開始の口上が終わると朔日餅の販売が始まります。
*月替わりの朔日餅の詳しい情報はこちらから。
古くからの伝統が息づく街、伊勢にはたくさんの見どころがあります。みなさんもぜひ「お伊勢さん」へお越しください!
(2018年5月16日公開)
伊勢周辺の宿情報はこちら