秋山郷ってどんなところ?
新潟県と長野県にまたがる秘境、秋山郷。平秀勝が源頼朝に敗れて落ち延びたという、平家の落人伝説の舞台としても知られています。
また、日本の秘境100選の一つでもあり、いまだ手つかずの自然が数多く残されています。冬季は豪雪の為、孤立することもあるのだそうです。


一方で湯量豊富な温泉郷としても名高く、温泉地や温泉宿が軒を連ねています。
結東温泉 かたくりの宿
秋山郷にはいくつか宿がありますが、「かたくりの宿」は明治17年に開校し平成4年に廃校となるまで、秋山郷で地元の子ども達を見守り続けた中津峡小学校を改築した宿です。平成5年にふるさと資源活用事業によって、廃校から「かたくりの宿」となりました。

「かたくりの宿」は新潟秋山郷の結東集落に立地しています。秋山郷の8つの集落の中で結東集落は中心的な集落で、昔は旅の行商人などが休憩の為に立ち寄っていく場所でもありました。
集落の人々は、秋山郷の玄関口として、かつての校舎にたくさんの人が来ることを待ち望んでいます。
新潟の橋50選に選ばれた天然の吊り橋「見倉橋」や、日本農村景観100選に選ばれた「石垣田」が観光スポットとして有名で、シーズンになると多くの人が足を運んでいます。

「かたくりの宿」名物、内湯は元校長室
校長室だったところに「かたくりの宿」のお風呂はあります。湧き出る温泉はからだの芯からぽかぽかになるナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩泉です。男女別の内風呂、半露天風呂があるので、旅の疲れを存分にほぐす事ができます。
温泉の温度は約46度とやや熱め、湯色は少し黄色がかった透明の色ですが、微かに塩味を感じるお湯です。関節痛や筋肉痛、五十肩などに効果があると言われています。

半露天風呂は秋山郷の山清水を使用。冬の豪雪から生まれるこの地域の山清水は軟水で保温効果も抜群だそうです。

秋山郷の自然を生かした美食に舌鼓
「かたくりの宿」の食事は、秋山郷の豊かな自然や歴史に魅せられた若い管理人ご夫婦が、地元の郷土料理をアレンジしたり、集落のお母さん達から教わりながらすべて手作りでふるまっています。地元の山菜や野菜をふんだんに使い、味、彩り、栄養のバランスを考え、素材の味を味わっていただけるような料理作りを心がけています。

お米をはじめ、宿の料理は秋山郷に芽生える恵みによって支えられています。お米は宿の裏手に広がる石垣田で育てたコシヒカリです。山から引いてきた水で作られたコシヒカリはすっきりした甘みがあり、他では口にすることができない特別なお米です。


そして春はふきのとう、こごみ、ぜんまいなどの山菜。山菜の時期が終わると桑の実が熟し始めます。実は軸を取ってジャムにします。桑の実が終わると、次は岩梨の実。岩梨の実は一つ一つ皮をむいて焼酎へ漬けておき、料理やデザートに使います。料亭などで出される貴重な食材の一つにもなっています。
秋になると栗、胡桃、銀杏拾い、アケビ採り、山ぶどう採りの季節です。そして、天然のきのこ採り。下処理がとても大変ですが、美味しい出汁がたっぷり出たきのこ鍋は、一度食べたら忘れられない味です。

食事時間は夕食18:00〜19:00、朝食7:30〜8:30となります。近隣に飲食店がないため、食事付の宿泊がおすすめです。
客室は教室のあった場所を改築
客室は元教室だった場所を改築した和室。畳でゆっくりと寛ぐことができます。布団の取り扱いはセルフサービスのため、好きな時に横になることもできます。

計7室あり、人数に応じて8.75畳から14畳の和室となります。
トイレ・洗面台は共用ですが、テレビ・暖房器具・卓上鏡・ポット・お茶セットは客室に設備されており、アメニティはバスタオル・タオル・歯ブラシ・浴衣・丹前の用意があります。
15:00~チェックイン可能で、チェックアウトは10:00となります。館内は禁煙で、屋外に喫煙所があります。
アルコールの持ち込み・ペットの同伴は禁止です。
随所に校舎のぬくもりを感じる館内
「かたくりの宿」は元小学校らしく、敷地内にグラウンドや体育館、プールもあります。体育館やグラウンドは、スポーツイベントや音楽会の開催場所となります。体育館には遊び道具もあり、小学生時代にタイムスリップして遊ぶこともできます。


かたくりの宿周辺で楽しむアクティビティ
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」
今年2018年は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」(7月29日~9月17日)が開催される年。
トリエンナーレとは3年に1度行われる国際美術展覧会という意味で、2年に1度はビエンナーレと呼びます。国内だと「中之条ビエンナーレ」がよく知られているので、耳馴染みのある方もいるかもしれません。


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「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」とは「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、「人間は自然に内包される」を基本理念としたアートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めています。前回2015年は約51万人の来場者数を記録し、約50億の経済効果や雇用・交流人口の拡大をもたらしています。
トレッキング、登山、渓流釣り
「かたくりの宿」周辺ではトレッキング、登山、渓流釣りなどのアクティビティを楽しむことができます。
トレッキングは片道1時間~2時間弱のコースなので初心者の方にもおすすめです。
見倉橋をめぐるコースもあります。


また、秋山郷には苗場山、鳥甲山、佐武流山という初心者~上級者向けの3つの名山があり、レベルに合わせて登山を楽しむことができます。

「かたくりの宿」の傍を流れる中津川では春から秋にかけて渓流釣りが楽しめます。イワナがよく釣れるそうですが、渓流を眺めるだけでも気持ち良さそうです。

手つかずの自然が数多く存在する秋山郷。その中で元小学校に泊まるというユニークな体験ができるのは「かたくりの宿」ならでは。
都会の喧騒から離れて、懐かしくも輝かしいタイムスリップの旅に出かけてみませんか。
アクセス情報
名称 | 秋山郷結東温泉 かたくりの宿 |
住所 | 新潟県津南町結東450-1 |
TEL | 025-761-5205 |