山形新幹線の車窓から、山々の斜面にキラキラと太陽光を浴びて輝くビニールハウスを見ることがありました。それが何か、など気づきもしませんでしたが、ふとしたきっかけで南陽市を訪れた際にそれがぶどうのビニールハウスであるということが分かりました。
山形でぶどうが栽培されるようになったのは江戸時代で、その発祥には2つの説が伝わっています。
①金の採掘に来ていた甲州(日本の国産ワイン発祥の地として知られる山梨)の採掘人がぶどうの苗木を植え始めた。
②出羽三山を往来する修験者らが持ち込んだ。
また、南陽市でのワインづくりの始まりについては、山形を代表するあのブランド食材が関わっているのだとか。
枝豆・さくらんぼ・お米・芋・牛・茄子・菊などなど山形のブランド食材は数々ありますが、ワインの始まりに影響を及ぼした食材とはいったい何だと思われますか。

米沢牛です。
明治25年、元赤湯町長であった酒井弥惣氏が英語教師として招いたチャールズ・ヘンリー・ダラス先生が「山形にはこんなにおいしい牛肉があるのに、それに合わせて飲む美味しい酒がない。美味しいワインを飲みたい。」と話していたのがきっかけなのだそうです。また、このダラス先生は、米沢牛を全国に知らしめた人といわれています。
現在、南陽市には5つのワイナリーがあります。
・大浦葡萄酒(1939~)
・酒井ワイナリー(1892~)
・佐藤ぶどう酒(1940~)
・須藤ぶどう酒工場(1916~)
・グレープリパブリック(2017~)
さて、そんな山形ワイン発祥の地で自分だけのワインを作ることができると聞いて、やってきました南陽市、紫金園。山形新幹線では赤湯が最寄駅で、そこからタクシーで10分程です。
紫金園(須藤ぶどう酒工場の運営するぶどう園)
今回収穫するワイン用のぶどうの品種は、マスカットベリーA。フルーツ狩りのぶどうとは、セレクトの仕方が違うようで、いくつかのポイントを教えて貰いました。
・1つの房に粒が詰まりすぎていないもの(光をたくさん浴びているもの)
・根元が黒いもの
・食べてみて甘いもの
・粒が大きすぎないもの
原材料のセレクトでワインの味が決まる!ということでしっかりワインを選定します。籠いっぱいにとって約2㎏。こちらでフルボトル1本分のワインを作ります。


ぶどうのグラムを測り、作業開始です。
房から実を外していきます。左右の手のひらを合わせて最初は優しく包み、最後に圧をぎゅ~っとかけてつぶしていきます。つぶしたものは硝子瓶の中へ。ひたすら2㎏分のぶどうを繰り返して手でつぶしていきます。


絞った後、糖度を測ります。
17度から20度くらい。とった果物の甘さによってそれぞれ糖度が違うので、勝った!負けたの大騒ぎ。

オリジナルラベルを作成。

本日の体験は、ここまで。
この後、ワイナリーにて発酵(皮・種子がはいったまま発酵タンクへ入れ発酵し、圧搾)、オリ下げ(不純物や酵母かすを取り除く作業)が行われ、瓶に詰めて発送され手元に届きます。9月中旬の体験で、届くのは12月中旬頃なのだそう。クリスマスには自分の作ったワインで乾杯できそうです。
ワインづくり体験を行ったのは、こちら。
紫金園(しきんえん)ワインづくり体験所在地:山形県南陽市赤湯2836
電話:0238-43-2578
料金:3500円+送料
*ワインづくり体験は、要予約。
*ワイン1本で梱包・送料代金は1000円ほどでした。エリアや本数によって異なりますのでご確認ください。
今回は、山形県の南陽市雇用創造協議会のモニターツアー「1本のワイン誕生物語」に参加したものから、現在でも予約可能なワインづくり体験のみを抜粋してご紹介しました。

10月にも南陽の伝統・食・文化を楽しむモニターツアーがありますので、ご興味のある方はぜひリンク先をご覧ください。
滞在して楽しむ南陽 南陽の伝統・食・文化を楽しむ体験モニターツアー
南陽市雇用創造協議会所在地:山形県南陽市三間通436番地の1(南陽市役所内)
問い合わせ:0238-43-4552
山形でワインづくり体験したら、赤湯温泉への立ち寄りがおすすめです。